Episode.5...そして、僕らは虹になった.
僕はとうとう作家になることができなかった。なろうとする意志がなかったわけではないけれども、出版業界自体が既に見切りをつけるには十分すぎるほどの理由がプラクティカルなものの考えをする方たちの意見だった。単に僕の作品がどうだとか、出版社がどうだ、とか論じるつもりもない。単に見切りと諦観から辞めていったのだ。他人の評価は気にしていない。単に主観的な意見して「出版社という文芸業界自体がゲーム・アニメ・マンガ・Vtuber業界が利権をせしめとるだけのドマイナーな業界」と認知したまでであって、単に芸術としての文芸など誰も求めていないし、届くだけの残響はなく、意志のない職業作家が無駄に跋扈する世界に何ら僕としての表現者には居場所がない業界として、出版業界と障碍者社会があったまでだった。由真は弁護士をドロップアウトして、今はフリーターだった。
欲を言うならば、終わりと見切りをつけるだけの十分すぎる理由を持ち込んで、僕をあきらめさせることを積極的に行うくらいだったら、単にまともで公平なジャッジを持ち込んでほしいというのが客観的なもの言いでしかなかった。ただの利権を得た職業作家が暴言を吐きまくっただけのいわゆるフォロワー小説がウケているのであれば、僕のような表現者を排他する理由をどこに持ち込んだのだろう?くだらない議論で由真と交わすには、高尚というよりかは陳腐で、ありふれたギャグを書き続けるだけのモノローグにはならなかっただけ僕は社会からドロップアウトして正解だったのだろう。社会の真実なんて芸人の脚本みたいな小説がウケている現状であるし、意味などないし、そもそも文章ですらないものまで大繁盛といった様子である。単に素人の大爆発した一発芸の大炎上が公表出版されている、ような面持ちであったため、僕はどうだってよかった。そうでもない作品があれば、知りたいとは思いつつ、いつまでもど素人の一発芸みたいな作品がウケている現状でしかなかったのは、いつまでもウケないことを悩んでいる僕とどっちが天秤で下を向くくらいの価値があっただろう、意味のない議論である。由真は、対して、プラクティカルな考えで弁護士事務所があくどい秘密結社の擁護事件の担当を言い渡され、こちらを責任追及していく形で、退職に追い込まれた形だった。互いに、夢には自由という名の消えない泡みたいな野望をもって挑んでいくには針のように上下に突き刺すだけの悪が待ち受けていて、僕ら二人を希望の底に突き落とすだけの十分すぎるだけのあくどい利権をせしめとるだけの理由だけを持った輩を同乗していくシステムに社会嫌悪を感じたのは事実だった。僕らは結婚しなかった。ミニマリストを気取ったわけではない。家との間柄がよくなかった訳でもないけれども、あいまいな記憶が灰のように降り積もらせたまま僕らは灰のお城を作って、プリンセスとプリンスが役にも立たない社会と称してあれほど好きだった社会を忌み嫌っていくその排他する意思が二人に芽生えさせるだけの十分すぎるだけの意志が、灰のお城をフォークで壊していくにはかなりの時間、永遠に近いだけのAshがあったのだった。
「手がほどけても、貴方はぬくもりだけはあったのかもね。人が信じられない時代に、ぬくもりなんて陽だまりみたいな明るさはいらないのかもしれないけれども」由真は言った。
「君にAshを壊せるだけの記憶を作ろう。僕らには黄金もなければ、夢は消えていったけれども、闇を作るまでの心の記憶を壊せるだけの意志を持って暮らしていければ。君と永久に」
「栄光の証を」
「火は再び、光を
やがて、雪の音が聞こえた気がした。―――消えないで、消えないで。
僕らは寒い日では確かめ合ったのはそのぬくもりだけで。
しかし、イリアを選んだ日に彼女は文句の一つを言わず、身を引いた。
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