Episode.3...Sky Windows Shopping.
Titleはこの街をlyricとして綴った、「For loves sky.」
高校時代からの精神世界を高度に記述していく。
幸い文章能力は高くない方だ。
だから、居間のメモ帳にシャープペンシルでスラスラとアイデアを書いていった。この場所は素敵だ。
だって朝も昼も夜も、平和で、愉快な皆がいるんだから―――。
「達郎、ご飯よ。フライよ」そう言って母がドアをノックする。
「まって、これ終わらせてから」
「早くしなさいよ、待ってるのよ」そう言って母が立ち往生する。チッと舌打ちした後、達郎は立ち上がった。
「ああ、今行く」
フライは冷えると美味しく無いため、気にする料理だから早めに作らないといけない、と思って、さっさと用意していたのを思いいたった。
「はいよ」
「達郎も、偉くなったわね。でも、学内順位まだ延びたらどうしましょう?」
「お前はそこまで偉くならなくていい」父が言った。
一家は寝る。
朝からLocalな地方でよくある放送が入り込んでいた。
(達郎の想い)
『Noiseが断絶する―――そして拒絶する、夢であんなに微笑んでいた彼女の天使のような呼び声すら拒絶する…』
(由真の想い)
『ああ、どうしてCross overな関係が、このまま続いて欲しいと願ってしまうんだろう。断絶したい訳ではなかった。しかし、彼がそれを許してくれるだろうか……』
〈由真〉
朝、クラブハウスからの帰りに、トーストを齧り、お風呂に入った。踊りたい気分にはなれず、ずっと一人でフライドポテトをつまんでいた。last tuneは青山テルマのそばにいるねのRemixを逆回転して、tuning、kZmのG.O.A.T.,そしてサカナクションの目が明く藍色のRemixをDropCastに流してFlow.
聞いていてどこか遠くまでこの熱情をさらっていって欲しいと思えた。
トーストのカスがお風呂に浮かばないよう、風呂から出てリビングでトーストを頬張る。きつね色の自信作だ。後は、マッシュポテトと大学芋。達郎じゃこんなもの屁の河童だ。何の競争だとため息つくけど、アイツは何でもできる。優等生だけど、女の心までは探偵することは向いていない。気障ったらしい女で、全部自分で出来ると維持張って自分で突っ走ろうとする奴だ。
トーストを食べ終わって、浴槽に入る。前面ガラス張りだ。自分の姿を見る。
背丈はアイツよりも小さく、155cm.華奢な身体が輪郭と共に浮かび上がる。ライトを付けた。シャンプーを今の石鹸の匂いに変えた。コンディショナーをひまわりの種に、香りを次々と変える。汗がしばらくすると出てきた。すっきり汗かく前に出て行くのが彼女の日課。
エアコンで除湿に変える。冷え性で、夏でもエアコンは除湿だった。夜は寒くて寝られなかった。今度達郎には送る品物は無かった。今年で私たちの仲はおしまい。
オーディオからは、女性VoOnlyで男性Voのm-floの声をマスキングして削ってあるInstrumentalのm-floのcome againがAuto tune.
〈この部屋は夢見ていた理想の暮らしと私がいた―――〉
〈達郎 side〉
煩いなとは思ったが、地方の警戒注意報を聞いて周囲にConsensusを取るための役割を担っているから仕方のない話である。アサデスというTVだった。
流行りのK-popが流れる。
Zerobaseoneの-運命の花-をChoice.
私は朝、食事を済ませた。鯖にウインナー、レタス、トマト、納豆、カレールーが何品か。
家を出て、矢沢の家に向かう。今度は焼き肉店巡りに付き合ってほしいみたいだ。そんな事言われて私がやったことはお肉についての情報を一々予習することくらいだった。割と律儀な方である。
私は理系だった。二年生まで理系と文系が一緒のClassだった。鵲は文系。矢沢も文系。細川は将来は科学者になると言っていた。しかし、法学部を受けた。細川は将来を見据えているようだったが私は分からない。理系というものが楽しい、ということくらいしか頭になかっただけだろう。数学は鍵と鍵穴の関係だ。いかにLogicと言う名の鍵を駆使して真実と言う名の鍵穴に差せるか、というものだという感覚がどこかで感じていた。一言でいうと迷路だ。物理は似ているが少し違う。物理は具体的、数学は抽象的なのだ。具体的な物象を理解する上で化学や物理は確かに面白い学問だと思う。だけど、数学の抽象的な概念が分からず、分かったときの感覚は凄まじい。まさに言うなればGameのLast boss戦のような感覚だ。アレに似ている。一種の感動すら覚えるのだ。
『波は、数学で言えばCosineとSine。しかし、それ以上に解明するための道具にしては人間とは知的で高度な古代から存在している二重螺旋である』
ヒカリが雪のように白く淡い泡のような強い輝きを放つ太陽を背に、汗をかきながら外へ出ると、Concreteから雨の溶け込んで染み込んだ匂いが漂ってくる。
強い日差しに頭を持っていかれそうになりながら汗をFace towelで拭きながら、矢沢の家に着いた。徒歩で1分の距離にあるがそれでも今年の夏は暑かった。
「矢沢、焼き肉屋行こう」
「よっ待ってました」
「何を?」
「いや。カラオケせん?」
「またカラオケかよ」
「合コン目的で」
「合コン?それって大人がやるものじゃないの?」
「俺達の元中学校の女子集めてCafe行く約束したの」
私は理解不能だった。
「女心知らないね。これだから男って」
「矢沢も男だと思うけど」
「お前の場合は爺さんだよ。全くもう。カラオケでヘマすんなよ。ヘマはダサいぞ」
「そんなにカッコ付けてどうするの?」
「お前、カッコ付けて見て何とも思わないの?」
「思わないことはないけど・・・・・・」
「そういうことだよ」そう言って私の鼻を指でつついた。それは女の子の仕草であれば映えそうだった。仕方がない、相手が矢沢なんだから。程よく筋肉の付いた体は引き締まっているが、そんなGorillaみたいな男子から鼻突かれる関係って正直どうなのだろう、と思わなくもない。失礼、失言した。私は、MDにレミオロメンのモラトリアムを聞いていた。スカッと抜ける爽快感が堪らない。
一方、矢沢は、ケツメイシのAlbum聞いていた。最近時流についていけなくって。今でも好きなんだよな。と語っていた。
じりゅうって何だろう。生憎国語は苦手だ。語彙を知るときは英単語くらいで漢字の勉強はまるでしていない。不勉強だと自覚しているが、私は、基本的に覚えるということが苦手で頭の中に入っていかない。だからいつも語源から推察するのが常だった。
覚えて「食べる」という行為は過去に捨ててきた。
使って「呼吸する」ということは今にある。
それが私の理系の格言だった。
結局、案外矢沢にしては良いChoiceだった。結局高校生程度のお小遣いで行けるものなんてたかが知れている。
「こんなもんでいいだろ」
「了解」私は徒歩で店を通り過ぎ、目的の店まで戻ってきた。
矢沢が、私には先に帰るように言った。
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