収容所へ
「よし、制御出来てる」
彼は自分の術式に対して使用する魔力を制御していた。
勇人との戦い、それから模擬線でも何度か意識していた。
「ねえ海君、その力……制御出来ない?」
景からも言われた。
この先、戦いは激しいものになっていく、彼が魔力を制御できるようになってくれれば、彼がライフリングスペルを使ってもおぶっていく手間を減らせる。
そして時間を合間縫って魔力の制御の練習を積み重ねていった。
「おお、昨日よりは良く出来ているな」
勇人とよく練習していた。勇人にも礼を言わなくちゃな……
今の攻撃でアルゴンのほとんどは消滅していた。
(さて後はどうするか…)
残りのアルゴンの攻略を考えていたその時
シュウゥゥゥゥゥゥ
彼の右手が光り出す。
「こ、これは」
思わず声が出る……
ヴァァァァァァァァ
残りのアルゴンの1体が光線を吐いてくる。
スッ
デバイスを手に取る海輝
それも今手に入れたデバイスを……
天性にあまねく力、我に従い未知なる覇道を突き進め!!
タ イ ラ ン ト ・ ス ト リ ー ム ・ ク リ ム ゾ ン
詠唱する、すると剣が光り始める
(こういうことか?)
タッ
海輝はアルゴンに向かって飛び上がる……
「すげぇ」
ドォォォォォン
放たれるアルゴンからの攻撃…
(やべっ)
とっさに右に重心を傾けると…
シュウゥゥゥ
彼の体が右に旋回し攻撃をかわす。
(よしっ)
「いけぇぇぇぇぇぇぇ」
そのままアルゴンに向かって突進しアルゴンを魔力を装備した剣で切り刻むと
ズバァァァァァァ
アルゴンの体が真っ二つに割れていく
ヴァァァァァァァァァァ
断末魔も叫び声を上げながらアルゴンは消滅していく
(後1体)
そう考えた海輝、最後のアルゴンに向かって突進し
ズバァァァァァァ
アルゴンの懐に飛び込み剣で切り刻む
ヴァァァァァァァァァァ
最後のアルゴンも消滅していく。
タッ
地上に降り立つ海輝。
フラッ
その瞬間疲労で足元がふらつく。
(疲れた…ま、何とか歩けそうだ…)
おぼつかない足元でイレーナが向かっていったほうへ歩いて行った。
一方気付かれた術者は
(しまった、気付かれた!!)
術者は慌てて撤退をするが
タッ
その進む先にはすでにイレーナが立ちつくしていた
「もう召喚はさせません……ラーザリ・ジルフィア」
エマナとの国際交流の付き合いで合ったことはあった、5歳くらい年下で肘までかかった金髪が特徴的な少女だった。
タッ
ジルフィアに向かってイレーナが剣をふるう
ザァァァァ
身を左に投げて間一髪でジルフィアがそれをかわしていく
(かわされたが狙い通り、体勢を崩せば隙が出来る)
時空をつかさどる力、闇に立ち向かう勇気となりて、力なきものへ、希望となる力を!!
ユリシーズ・リミテット・スラッシャー
ドォォォォォン
大きな爆発音とともにジルフィアの体が吹き飛び宙を舞う。
(よし……これでトドメをってしまった)
スッ
ジルフィアに追い打ちをかけようとしたイレーナ、しかしとっさに後ろに剣を振りぬきけん制する
背後から奇襲してきた敵に向かって…
「良く気付きましたね…」
その敵は肩までのショートヘアーで青と紫の中間のような髪の色、水色の槍を兵器として持っていたイレーナと同じくらいの年の女性だった
「スワニーゼ、どうしてあなたが……」
彼女もまた知っていた
新連邦の実質的なトップ、鋼鐵の女王ことスキァーヴィ・ルミナスの専属秘書、
ラウレンチー・スワニーゼ
タッ
3メートルほどとっさに下がりイレーナの攻撃をかわすと再びイレーナに立ち向かっていく
(やるしかない……)
イレーナも立ち向かっていった
スッ
スワニーゼはイレーナに攻撃を飛ばす
タッ
イレーナはそれをかわし槍で彼女の槍と交戦するが
「ぐはっ」
背後からの突然の攻撃を受けるイレーナ。
そしてそのスキをついてスワニーゼは槍を振り回しイレーナに1撃を与え吹き飛ばす。
吹き飛ぶイレーナの体。
(背後から攻撃?気配なんてなかったのに)
そう考えながら体勢を立て直すが
(もう誰もいませんね……)
スワニーゼはもちろんジルフィアも既にいなかった。
「たぶんスワニーゼはジルフィアを逃がすために来たんでしょうね」
そう囁いていると
「術者は、捕らえられなかったみたいだね……」
魔獣を倒して彼女がこっちに向かったと思ってここを探していた海輝がやってくる。
「そうですね」
悔しそうな表情、下を向きながらしゃべる。
こうして2人は本体に合流するため歩いて行った。
そのころ広希達本体
敵との戦闘では士気の低い敵に対し優勢で進める、そして問題の収容所があった場所にたどり着いた。
そして収容所に入ろうとしていた。
敵の気配はない、恐らく逃亡したのだろうか
ここで犯した罪を問われるのを恐れるために
「じゃあ、入るぞ」
広希がそっと3人に声をかける。
「……はい」
覚悟を決めた景、そっと返事をする。
ギィィィィィ
ドアを空ける。
みんながドアの先を見る。
「こ、これは……」
ドアの先には兵士の姿はいなかった、恐らく俺達が来ることを知っていて逃亡したのだろう。
魚人、獣人、エルフ、人間などさまざまな種族がいたのだが……
「どこか痩せこけているな」
過酷な強制労働や満足に栄養を与えられていない影響からかみんな痩せこけた表情をしていた。
「やった、やったぞ!」
彼らの歓喜の声が聞こえる。
その声につられて別の場所にいた囚人たちも集まってくる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます