奇襲
一方戦場に戻った景とイレーナは
「トォッ」
バタッ
素手で戦う少女相手に吹き飛ばされるイレーナ。
スッ
その相手に立ち向かていく景だが
「させません!!」
ドン!!
そうするとさっきまで遠距離から攻撃していた10歳くらいの少女に妨害される。
名前は知っている、オレンジ色っぽい髪型でショートヘアー、グラマー体型、イレーナより少し背が小さいくらいの背丈、カロリーナ・リリーとまだ10歳くらいの年齢で金髪の三つ編みの少女ミルブレット、先日戦ったジェルジンスキーの仲間だ。
この二人はよくコンビを組んでいて2人で戦場で戦うことが多いって有名だ。
タッ
景がミルブレットに向って突っ込んでいく。
(させないわ!!)
それを妨害しようとリリーが景に立ち向かう。
タッ
今度はイレーナがリリーに攻撃を仕掛ける。
ドン!!
イレーナが仕掛けた攻撃を拳で受け止めるリリー
(え?私の攻撃を拳で?)
思わずそれに意識を奪われていると
ドン!!
リリーの右足のキックがイレーナを襲う。
ドン!!
イレーナは攻撃を両腕でガードするが完全に回避しきれずに体が右側に吹き飛ばされる。
タッ
追い打ちをかけようとリリーはイレーナに向っていく。
スッ
イレーナはすぐに体勢を立て直し立ち向かっていく。
怒涛の拳ふるわせ、欺くものすべてに天からの鉄槌を!!
疾風拳クロタール、シュート!!
ドン!!
その術式で拳に力を宿す。そしてその拳がイレーナを襲う
天海の海壁、全ての攻撃を吸収せよ!!
インブェディア・オブ・ウォール!!
イレーナが術式で身を守ろうとするが
ドン!!
リリーの技が強すぎてイレーナの術式を貫通し、彼女に直撃する。
再び吹き飛ぶイレーナの体
(とどめをさす!!)
さらに追撃するリリー
イレーナに接近するリリー、しかし
(こんなところで、立ち止まりたくない……みんなのためにも、弟のためにも!!)
スッ
もう1度立ち上がるイレーナ、そして
時空をつかさどる力、闇に立ち向かう勇気となりて、力なきものへ、希望となる力を!!
ユリシーズ・リミテット・スラッシャー
ドォォォン!!
向かってきたリリーにカウンターの一撃を与える。
そしてイレーナは決心する。
「次の一撃で決める!!」
スッ
イレーナはデバイスを取り出し、兵器をリリーに向ける。
「なるほど、受けて立つわ……」
立ち上がったリリー、その意図を理解する。
そして
拳から放たれし天の力、あらゆる壁を粉砕し、闇に一閃をとどろかす力を!!
テウデリク・ソウル・ディザスター・ストリーム!!
時空を超える力、今友のため敵をせん滅し救いの力となり、定めを超える閃光貫け
ヘリオポーズ・イクシオンブラスター・スプレマシー・ノヴァ
ドォォォォォォン
2人の奥義が衝突する。
恐らくはこの付近一帯に鳴り響く轟音が炸裂する。
爆発の煙でこの場が覆われる
そして煙が晴れていく
そして彼女は立っていた
「リリーさん、私の勝ちです」
全力を出し切って消耗しきったイレーナのかすれた声。
「ええ、私の負けよ……」
倒れて動けなくなったリリーが言葉を返す。
全力を出し切り、負けたのにほほ笑んだ表情。
そこに誰かが現れる。
「景!!」
イレーナが右を見る。
そこにはミルブレットをおぶった景の姿。
「ほいと」
ドサッ
「何とか勝ったよ」
話は少し戻る、イレーナとリリーの戦い、その裏で景とミルブレットは戦っていた。
ドォォォォォォン
ミルブレットが上空から景に攻撃を仕掛ける。
ミルブレットは木の上を移動し続け、決して地上に降りない、景のことを知っていた彼女の対策だった。
(これなら彼女の力は発揮できないはずです)
そう考えた彼女だったが
スッ
景は背中から木のこん棒を取り出す、20cmくらいの
そして…
シュウゥゥゥゥ
(まさか、あれをデバイスに出来るんですか?)
景はあらかじめ対策を打っていた、自分の術式では木の上や上空などに移動させられるとその相手には無力になる。
まだ剣は出来ないがこん棒くらいは
「私が弱点に対して何も対策していないと思った?甘いよ」
スッ
そしてミルブレットのほうへ向かっていき…
ドン!!
ミルブレットに攻撃し、倒れた彼女をおぶってきた。
「意外にこの子接近戦が出来ないんだよ、ま、何とか倒せてよかったけど」
景がミルブレットについて語っていた時
その時
「来る!!」
イレーナの叫び声。
スッ
慌ててイレーナが背後を振り向くと
ドン!!
背後から誰かがイレーナを攻撃、剣を振り下ろした所を間一髪でイレーナが槍でガードする。
「たしか、シャルル」
景が思い出す。
こいつもこの二人やジェルジンスキーとよく行動している。
「2人を回収しに来たの?」
景のその問いかけには反応せずイレーナに立ち向かっていく。
カン!!カン!!
シャルルの槍とイレーナの剣がぶつかり合う
しかしシャルルがイレーナに急接近すると
「え?」
シャルルの胸元に視線を奪われるイレーナ。
ドン!!
シャルルは右足でイレーナを軽く蹴っ飛ばす。
タッ
そこに景が突撃していく。
天竜の力、力となり解放せよ!!
スペルビア・オブ・バースト!!
景が術式を放つ。
ドォォォォン!!
放たれた術式が爆発する。
そのスキを突いてシャルルに1撃をくらわせようと接近するが…
ズバッ!!
(え?)
煙の中からシャルルが出てきて、景に逆に1撃をくらわす。
吹き飛び、宙を舞う景の体。
シャルルは景の術式を浴びてはいなかった。
彼女は槍での1撃で直撃を避け、景が突撃してくると読み、逆に煙で視界が利かないことを利用し景に奇襲を仕掛けた。
2人は思い出した、少女らしさを感じない大胆で力任せな戦い方がシャルルの特徴だという事を
ぅぅぅ…
すぐに体勢を立て直し、シャルルの場所を確認する景とイレーナだが
「はぁっ、逃げられましたねー」
すでにシャルルは2人を抱え遥か先へ撤退していた。
「流石にもう追えないし……」
自身の魔力がないことを考え追撃をあきらめる2人
そしてイレーナが囁く、ずっと追っていた彼の名前を
「あれは、ドゴール?」
その心残りを残したまま2人は撤退した。
イレーナの心残りを残して
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