人間への怒りと
エルフの村
セレファイス中心部
カンカンカンカン
町中から鐘の音が鳴る。
それは敵の侵攻の合図だった。
「やばい、連邦の奴らが来る!!」
勇人が叫ぶ。
「応戦に行く、協力してくれ!!」
カーニャが話しに入る。
「わかった、じゃあ街を出て前線へ向かえばいいんだな」
広希が質問する。
「ああ!!」
言葉を返す勇人、そして彼らは前線へ向かった。
前線にたどり着いた海輝達
山と山に挟まれた湿地の地帯、彼らの作戦で大軍が動きにくいこの場所でエルフ達は敵を待ち伏せていた。
そこにはすでにエルフやこの町の兵士たちが戦闘の準備をしていた。
そして誰かが叫ぶ。
「奴らが来たぞ!!」
スッ
海輝は前を見る。
「本当だ……」
その視界の向こうには何千もの敵兵の姿。
ドドドドド
そしてその敵たちがこっちに押し寄せてくる。
そしてそれにエルフ達の軍が立ち向かっていく。
天竜の力、力となり解放せよ!!
スペルビア・オブ・バースト!!
ドォォォン
海輝がプロトスペルを放つ。
天鳥の光、守護の力となり拡散せよ!!
アクセディア・オブ・シャインフレア!!
それを敵の術者が防ぐ。
(まずはあいつか)
そう考えた広希、デバイスを持ち上げる、そして
死相を覆し最後の希望、満たされぬ願い叶えし力、ここに集結せよ
久遠のスピリット・シェイブ・バハムート
広希はその戦士に向かって術式を放つ。
大きな爆発音。
吹き飛ぶ敵の戦士たち。
しかしその後ろから敵の兵たちが攻めてくる。
カン!!カン!
白兵戦が始まる。
彼らは敵兵を次々と倒していく。
特にイレーナとカーニャが接近戦で大活躍した。
負荷の兵士たちの奮戦も相まって敵の侵攻を許さない。
しかし…
ドォォォォォン
山に大きな爆発音。
上を見上げると
「魔獣?」
そこには無数の魔獣ショゴスの姿が
シュウゥゥゥゥゥゥ
魔獣たちの口が開き始める。
「まさか……」
広希かそう口にすると
ドォォォォォォォン
魔獣たちは次々に口から砲撃を放ち始める。
その砲撃は町に解き放っていた
爆発音とともに炎上する街
「海輝、俺が大技をぶつける、そうしたら2人でショゴスと戦う!」
広希がそう叫ぶ。
「わかった!!」
そしてありったけの力を込めて詠唱を始める…
悠久なる輝きの力、今解き放ち世界の闇を貫く閃光となれ!!
クレアティオ・オブ・パーセム・オルビス
そう叫んだ彼はデバイスを取り出す
ドォォォォォォォォン!!
彼の渾身の攻撃がショゴスに直撃する。
シュゥゥゥゥゥ
ショゴス達の9割は消滅した
「いくぞ!!」
広希がそう話すと再び戦闘に入る。
ブァァァァァァァァァァ
残ったショゴスがまだ暴れている。
ドォォォォォォォン
ショゴスが口から砲撃を放つ。
天海の海壁、全ての攻撃を吸収せよ!!
インブェディア・オブ・ウォール
海輝の防御術。
(実戦で使ったのは初めて、でも何とか出来た……)
内心軽く喜ぶ。
「喜んでる場合か!!周りを見ろ!!」
広希が叫び出す。
スッ
海輝は周りを見る。
「えっ」
思わず彼は声を出す。
その攻撃で当たり1面が焼け野原になっていた。
「みんなが術式を使えるわけじゃない、だからそう言う人たちを守らなきゃいけない、これは義務だ、忘れるな!!」
広希は少し考える、ただ戦うだけじゃなく彼にも経験を積ませることも
「俺は周りの救助に向かう、お前は残ったショゴスと倒せ」
彼はそう指示する。
「え…俺が?」
突然の指示に慌てる海輝、前方を見る。
ブォォォォォォォォ
まだ2体ほど残っている。
「俺があれを1人で?」
恐怖の感情が彼に浸透し始める。
今まで広希がいたから何とか出来た、でも自分一人となると
「大丈夫、救助しつつもお前のことは見る。あいつらだってかなりのダメージを受けている、あの技さえ当てればすぐに消滅するはず、だから行って来い!!」
広希は彼の肩に手を当てながらフォローする。
「それに、一般の兵もダメージを受けている、彼らだってフォローしなきゃいけない、俺がそっちをやる、お前だってもっと強くならなきゃいけない、そうだろ」
「わかった、何とかやってみるよ」
そう言って敵の方向を向く
ブォォォォォォォ
残りのショゴスが咆哮を上げている。
タッ
そのショゴスに向って立ち向かっていく。
ブォォォォォォォ
ショゴスが口から光線を吐く、それは海輝へ向かっていく。
タッ
海輝はそれを左へ旋回してかわす。
天竜の力、力となり解放せよ!!
スペルビア・オブ・バースト!!
そして彼が術式を解き放つ。
ブォォォォォォォォ
それを見たもう一体のショゴスがその術式に向かって光線を出す。
ドォォォォォン
その光線は海輝の術式を打ち破り地面に衝突し爆発する。
タッ
それを間一髪でかわす海輝。
(よし、これで奴らはしばらく光線を使えない!!)
広希から彼らの特徴、1度光線を吐くとしばらく光線を使えない。
その弱点を突くために最初はプロトスペルでけん制させていた、今打とうとしている攻撃を確実に通すために…
大いなる創星の力、ここに示し大いなる世界の王の力・解き放て
ヘルヴィム・シューティングブライト・創天のスターリウス
「いけぇぇぇぇぇぇぇぇ」
海輝の渾身の術式…精いっぱい叫ぶ。
ドォォォォォォン
大きな爆発音が鳴り響く。
シュウゥゥゥゥゥゥ
ショゴス達が消滅していく
バタッ
力を使い果たした海輝が倒れこむ。
スッ
そこに遠くから見ていたアレスが現れる。
「おめでとう、よく出来たわ」
そう言って肩を貸し2人は後方へと向かった。
一方広希
「ふざけるな、俺は人間の世話になんかなりたくない!!」
彼は叫ぶ、広希は彼のそぶりや目つきからその感情が本物であると理解する。
「人間たちに何をされた?」
フッと笑って問いかける広希
「連邦の奴だ、家族も暴行を受けた、趣味で外国の切手を集めていただけなのに!!」
彼は人間たちへの恨みを広希にぶつける。
「家族を思っているなら、つまらないプライドはってないで生き延びる方法を考えろ!!」
そう言って彼を起き上がらせる。
「あんたにもいるんだろ、守らなきゃいけない人たちが……考えろ、そう言う人たちのことを…絶対に約束する、そんな人たちを守り抜いてみせると」
そう彼らに訴えかける、そして彼らは互いの顔を合わせた後、撤退を開始した
そして彼らを撤退させることに成功した。
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