対決
次は俺と勇人か
その前に海輝は勇人に聞こうとした、彼がどんな力を使うのか興味があった
「なあ勇人、どんな力をつか」
その時、広希は言葉を返すように叫ぶ。
「駄目だ、それはお前が当てるんだ!!」
広希は叫んだ
「戦いながら当ててみろ!!実際の戦いで敵は俺はこんな力を持っているといちいち説明しない、お前自身が戦いながら当てていくしかない、これはそれの訓練だ!!」
場にしばしの沈黙が流れる。
勇人が口を開き沈黙を開く。
「おもしれぇ、来い海輝!!」
彼はすでにデバイスを発動している、後は海輝だけ
「わかった、やってみるよ!!」
海輝は言葉を発する、そして
天に轟かす力、唸るこの剣に宿し、失ったものを取り戻す力、創生せよ
トリシュ―ラ・オブ・スクデッドソード!!
スッ
デバイスを召喚した海輝、すぐに勇人に立ち向かう。
闇を貫く疾風の弩弓、我に来たれ!!
スクデット・オブ・アーチャー
勇人もデバイスを召喚する。
タッ
その刹那、海輝は勇人に向かっていく。
(弓矢か、だったら接近線だ!!)
弓矢を見て遠距離からの攻撃を警戒した海輝は接近戦に持ち込もうとする。
「接近戦に持ち込みましたね」
それを見たイレーナが囁く。
「ああ、お前の仲間、少しは考えて行動するようだな」
カーニャが広希に話を振る。
「ああ、弓矢を見て遠距離使いと判断し、相手に接近それ自体は間違っていない、彼だってあの距離に至ってまともに戦えない」
広希はそう2人に話す、そして最後に囁く。
「だが、それは安直すぎる、果たしてうまくいくかな?」
スッ
勇人は3発の矢を一斉に放つ
タッ
海輝はそれをかわし勇人に急接近、彼に向かって剣を振り下ろす
勇人も弓を剣のように扱い接近戦が始まる。
カン!!カン!!
両者互角の戦い、しかし
グサッ
大輝、突然背後から2発の攻撃を受ける。
何かに刺されたような衝撃。
突然の攻撃に倒れる海輝。
(これで決める!!)
そう考えた勇人、海輝に弓矢を向け、2発の弓矢を放つ。
天鳥の光、守護の力となり拡散せよ!!
アクセディア・オブ・シャインフレア!!
何とか防御術を張って攻撃をしのぎ切る海輝。
しかし…
グサッグサッ
再び背後から2発の攻撃をくらう。
(どういうことだ?考えろ)
そして考える中で思い出す、今の背後から攻撃をくらう寸前の勇人の行動を……
(わざわざ弓の上の部分を触っていた確か末弭っていう部分だっけ)
接近戦の時のことを思い出す海輝。
(さっき接近戦をした時に握りには1本の光、それが今は3本)
「何か考えていますね」
イレーナが気付く彼が考えていることに。
「まあ、勇人の場合、分かりやすかったからな、外から見れば丸わかりでも」
そう、彼の兵器はただの弓ではない、帰ってくる。
そして海輝は思い出す、3発彼は矢を放ち、その後2発返したらまた2発放って2発返した、接近戦だったにもかかわらず、つまりそれが出来るのは3発まで…
(恐らく彼はまだ3発しか打てない、まだ一発残ってる、だったら)
タッ
海輝は勇人に再び接近する。
それを見た勇人
(いける!!)
そう考え末弭に手を触れ、弓矢を海輝に攻撃させるようにすると
(やはり来たか!!)
タッ
海輝はそれを見て右に急旋回
(何っ!!)
驚く勇人。
グサッ
それに反応できず弓矢は末弭に触れ続けていた勇人の手に命中する。
そのスキを逃さず海輝は勇人に急接近。
天獣の斬撃、目前を切り裂き断絶せよ!!
グーラ・オブ・ソード!!
そう詠唱し、彼に剣を振り下ろす。
ズバァァァァァァ
命中する攻撃、吹き飛ぶ勇人の体。
倒れたまま勇人は動かない
この瞬間、ここにいるすべての人が勝負の決着を確信した。
(ま、少しは出来るようになったか)
そう考えた広希。
「何とか紙一重だった」
かるく息を上げながら勝利を確信する海輝。
「ま、今回はわかりやすかったからな、今日はもういいや……勇人と色々話すといいよ」
その後も勇人と海輝以外はトレーニングを再開、2人は一緒に会話を楽しんでいた。
今までの旅路の出来事や、異世界の暮らしなど
「まじかよ、たった一戦で俺の能力を見きっていたのかよ!!」
勇人がそう驚いていると
カン
「いてっ」
誰かが海輝にゴミを投げる。
「誰だよ」
少し不機嫌な表情になる海輝、
「町から出てけ!!!!クソ野郎!!」
「もう来るな!!」
叫び声がこっちに向かって聞こえてくる。
「古参のエルフ達だよ」
あきれたような表情で言葉を返す勇人。
「人間達を嫌っているんだ、ここのエルフ達は連邦の兵士たちから暴行だの散々な目にあっているからな」
海輝は思い出す、ジャングルでアレスと出会ったとき、彼女がおびえていたこと。
きっと頭ではわかっていても本能的に恐怖を感じていたのだろう…
「まあ無理もない、どこの世界にもいる、1度ある集団から暴力を受けるとその集団全てが敵に見えちまう奴なんてな」
達観した表情をする勇人。それを見て海輝は感じる、今の俺にはどうすることも出来ない、そんな経験、俺にはない、口で説得したとしてもきれいごとを言っても通用しないことはわかっているのだから
「なあ、話は変わるが」
勇人は急にもじもじし出す。
「いつも異性と接点がない奴にまるで友達のように接してくる女の子ってどう思う?」
彼の顔は真っ赤になっていた。
ドキッ
海輝は思い出す、望美のことを
分かっている、相手はただ友達みたいな感覚で話しかけているだけだって
でも俺にとっては生まれて初めての衝撃だった
そして彼の真意を理解した海輝が言葉を返す。
「カーニャのことか?」
「なぜわかった?」
彼女のこととは言ってないのに誰のことを言っているのか特定され焦る勇人。
「彼女に話しかけられただけであの取り出しよう、外から見れば丸わかりだよ…俺もそうだったけど」
目をそらしながら彼は言葉を返す。
「わかっているんだ、あいつにとって俺は弟みたいなものだって言われていたから…」
「でも、いつもそばにいてくれて、やさしくしてくれて、ときには抱きしめてくれて…俺はあいつが好きだ、でも、どうやって伝えれば……」
海輝は思い出す、望美もそうだった、いつも俺に話しかけてくれて、隣にいてくれた。
「勇気を持って、伝えるしかない、大丈夫、思い出してみてくれ、そんなことをして彼女はお前を笑ったりするようなやつか、俺にはそんなことしか言えないけど」
そう単純じゃない、こう言われるんじゃないかって、どうしてもネガティブになってしまう、俺もそうだったから、それでもこれが彼にかけてあげられる1番の言葉だった。
「わ、わかったよ……勇気、出してみるよ」
彼はうつむきながら言葉を出す。
「俺にも気持ちを伝えなきゃいけない奴がいる、そういう意味ではお前と似ているって思う」
「え?」
海輝は話した、望美のこと。彼女との出会い、それからの出来事を
話が終わる、顔を真っ赤にする海輝。
スッ
2人は手を握った。
同士を見つけたような気がした。
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