確かに俺には
「侵入者です、研究員たちは直ちに避難してください!!」
「誰かが、攻めてきた?」
「この機械稼働したばかりだぞ?」
「せっかく例の世界の財閥から技術をもらったのに」
あちこちから研究員の声がこだまする。
動揺し始める研究員。
「こっち!!」
景が海輝の服を引っ張り誰もいない道の廊下へ誘導する。
「何で?」
突然の出来事に海輝が景に理由を聞く。
「詠唱して?準備するよ」
「あ、そうか、わかった」
新を理解する海輝。
そして2人はデバイスを繰り出し
スッ
兵器を取り出す。
そして部屋に戻っていき
ドォォォン
機械に向かって攻撃を始める
壊れていく機械。
「やめろ!!何をする!!」
2人を研究員が止めようとするが
ドン!!ドン!!
2人は逆に彼らを吹き飛ばしていく。
一方入口では
ドォォォン
ぐわぁぁぁぁ
先方隊に入って活躍するイレーナと広希、そして
「……」
前線で指揮を執る指揮官ピャダコフ。
先日
「なに、わしに寝返って欲しいじゃと?」
2人が彼の所に向かっていた時のこと。
彼が広希の提案に驚く、なにしろ生まれてからずっとこの国に尽くしてきた自分に裏切りを提案してきたのだから
「それは無理だ、わしは生まれてこのかた尽くしてきた、この国に、それをいまさら……」
険悪感をあらわにし彼の提案を拒絶する。
「それは違います、寝返っているのは彼らです。政治が安定しないのをいいことに軍部を掌握しやりたい放題、そして規律は乱れ、新連邦のいいなりになって違法な薬物に手を染める始末」
すぐに反論する広希。
「あなたは取り戻すのです、国を乗っ取ろうとしている奴らから、場所はもうわかっています、そして自分の目で見てください、私が間違ったことを言っているのか、正しいことを言っているのか……」
確かにシュライヒャーが来てから悪いうわさが来ているのは知っていた。
だがもう高齢の自分には何も出来ないとあきらめ、目をそらしていた
そして広希はその後も景たちが入手した資料を送り付けた。
そして彼はシュライヒャーと戦う決心をして今し至った。
(あの人の忠誠心なら、この現状を見れば絶対に味方になってくれると思った)
(でも彼がいなかったらこの作戦は成功しなかった。ここを攻めるにはある程度の人手がいるからな……)
そして彼らは入口を突破し中への侵入に成功する。
そしてその報告を聞いたものが1名
研究所の中にいた。
「なに、侵入者だと、それも突破された?」
「はい、シュライヒャー閣下、それも彼が先導している模様です……」
そして側近が耳打ちする
ひそひそ
「森垣広希、彼か……」
アルビック・シュライヒャー、彼が笑い出し側近に指示する。
「わかった、私が相手をする、急いで向かおう!」
一方、内部でも戦いは続く。
ドォォォォン
鳴り響く爆発音。
研究所では資料室から出てきた幸乃、モルトケ、そして景と海輝が戦っていた。
そして現れる敵の騎士。
研究員はすぐに全員逃亡した。
「おまえ、あの時俺を襲った……」
海輝は思い出す、更衣室で俺をいきなり襲った奴、一瞬しか顔は見れなかったけど彼だと思いだす。
「まったく、私はスパイだと公言しているようなものだった、目線はいつも泳いでいてバレバレだった」
彼の名はカルノー。敵のスパイが紛れ込んでいないか詮索していた途中だったという。
「みんな、俺に戦わせてくれ……」
海輝はそう3人に伝える。
「え?無茶よ、…戦いの経験なんてあるの?」
驚いた幸乃がすぐに言い返す。
「一応習った、最低限のことは」
そう、あの後広希やイレーナからまた武術について教わって特訓していた。
まだ最低限のことと少しの
「ま、いいわ、あんたが倒れるまで手出しはしないわよ……」
幸乃が笑いながら宣言する。
そして
「あの時の借り、返させてもらう」
そうカルノーに宣言し
タッ
2人は接近し合い、戦いが始める。
カン!!カン!!
両者、剣でのつばぜり合い。
しかし
「うーん、やっぱり押されてるねぇ」
戦いを見ている景の言う通り戦いはカルノーが押していた。
(剣さばきは中の下、並以下ね)
腕を組みながら海輝の剣さばきを見て幸乃がそう感じる。
「ダァッ!!」
カルノーの掛け声とともに彼が海輝に1撃を加える。
ドン!!
「ぐはっ!!」
吹き飛ぶ海輝の体。
「こんなものかな?」
余裕の表情のカルノー。
スッ
起き上がり、膝をつく海輝。
「フッ、大したことないな、まともに経験がないのが丸わかりだ……」
余裕に表情を見せるカルノー。
「……」
海輝は誰にも聞こえない声で口を動かす。
それだけでただ黙っている海輝。
「終わりだ、行かせてもらう!!」
彼がそう叫び、剣を振りかざしながら海輝に接近する。
(確かに、まだ俺は未熟だ、ただの腕前なら俺はあんたには勝てない)
そう思いながら少しずつ立ち上がる。
そして1mほどまで彼が接近した時…
(終わりだ!!)
彼がそう確信したその時。
スッ
海輝は彼に向って手をかざし…
ドォォォォォォォォォォォン!!!!
すさまじい爆発音と煙がこの場を支配する。
「バタッ」
誰かが倒れる音、煙が晴れていく
「うそ……」
幸乃が驚く、そこで彼女が見たのは
「天井ごと破壊するなんて」
天井が破壊され、上空に吹き飛ばされるカルノーの姿。
ドサッ
倒れながら海輝が一言。
「危なかった……」
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