天才少女 その名は?

広希の前に現れた人物、彼女は戸波幸乃。


変な帽子のようなものをかぶり、セミロングで青色の髪の毛。




素質としては世界でもトップクラスを持つと話題になり、世界を渡り歩いているという


「何故お前があいつに従うようになった?というかお前は人の配下に着くのが何よりも嫌だったはずだ!」




彼は今自分の中にある疑問をすべて投げつける。




幸乃に問いかける。それが気になっていた。何であいつの配下になった?




「別に……私の目的と、彼と手を結ぶことで得られるメリットが重なっただけよ」


とこか不機嫌そうな顔、そりゃそうだ、お前、結構我がままで命令されるのが大嫌いな奴なんだから




「あ、そうだ、約束だったわね、モルトケ!!」


何かを思い出した幸乃。後ろを向き始め叫び始める、そして




ピッ!!




指を鳴らす。




タッ


物陰から二人の男性が出てくる。




1人は茶色を基調とした衣装の見知らぬ男性。恐らく彼が彼女の言うモルトケなのだろう。




そしてその後ろを歩くもの。


傷だらけで下を向いたままこっちへ向かってくる。




見覚えのある姿にその名前を叫ぶ。


「海輝!!」




彼が思わずこっちを向く。




そして2人と合流した経緯を話しだす。




更衣室で景と離れた時に捕まって、尋問を受けていた。殴られたりしたこともあった、でもさっき突然兵士たちの悲鳴が聞こえた、それでその悲鳴との距離がどんどん近くなっていってドアが開いた、そしたらその2人がいて、尋問をしていた兵士たちを次々となぎたいしていって幸乃が手を差しのべながら言った。




「私たちについてきて」




事情を聴いた広希。




思わず取り乱しそうになる。それを何とか抑えながら冷静な言葉を返す。


「とりあえず礼を言う」




「それで、何の用だ?」


用件を聞き始める。


「この国の軍務大臣、知ってる?」


それに対して逆に質問を問いかける幸乃。




「アルビック・シュライヒャー、この国のカリスマ的存在で軍務大臣を務めている。内紛が激しく数カ月で内閣が変わるこの国では軍部を掌握している彼が実質的なトップになっている。七恒星の1人で騎士としての腕前も相当なものだと聞いている」


質問にいまの知っている範囲で答える広希。




上を見上げながら幸乃が返答し始める。


「でも彼には黒いうわさが絶えないわ、彼の指揮のもとで増える軍備拡張の名のもとに増える予算、そして公害、不明の種類の植物の栽培、そして北部同盟とのつながり」


「この街での私とあなたの目的、一緒なのよね、一緒に組まない?この国限定で」




突然の要求。


「どういうことだ?」




彼女に話を聞く。


「別に、目的が一緒なら別々にやるよりも一緒に行動したほうが合理的でしょ」


一瞬広希から目を背け答える。




「それに、2人だとやれることはどうしても限られてて時間がかかるのよ、そっちだってわかるでしょ」




まあ、それはわかる、作戦を考えるときにもう少し人数がいればって考えることは俺もあるから……


(彼女を知ってる俺ならわかる、シュライヒャーみたいなやつは、彼女は最も痛み嫌うはずだからな、恐らくはその後)




「わかった、協力する……」


どこか警戒したような表情を見せ、広希がそう答える。


(まあ、もう少し人数が欲しいって思ったのは確かだ、俺がいないと海輝は更衣室に入れなくなるしな……)




「だが覚えておけ、完全に信じきったわけじゃない。お前が何か怪しい動きをしたら、お前に奇襲をかけてお前と絶交することだってあり得ることをな」


完全にお前を信じきったんじゃない、ただ目的が一致しているだけで同盟を組むという意味を込めて幸乃に釘をさす。




「はいはい、口では嫌がっても結局は素直に協力しちゃう!!そう言う事でしょ、わかったわかった」


(ま、あんた相手に露骨なことはしないわよ、露骨にはね……)




たがいに相手のペースで会話が進まないように会話を進め、2人は合意する。




「俺の部屋に来いイレーナと景もいるからな、作戦を練ろう」


広希は2人がいることを口実に俺達の部屋で作戦を練ろうとする。




「まあいいわ、2人を口実に私たちをマイルームにお持ち帰りしてこっちのペースで話そうっていう事ね、いいわ、私心は寛容だから付き合ってあげるいくわ、モルトケ!!」




彼女は駆け引きも戦士としても実力もある、というか彼女は七恒星の一人だ。それは広希もわかっていただから彼女のペースに巻き込まれたくなかった。


(さあ、どう出る……)




4人は広希達の宿へ向かった。






4人の部屋




広希が大輝、幸乃、モルトケとともに帰ってくる。




「海君……良かった、無事だったんですか?その傷は?」


イレーナがまず声を上げる。




「海輝君ごめん、油断してて……」


そして景がしゃべる、どこか申し訳なさそうに…




「大丈夫だ、元々俺が油断していたからだし、この二人に助けてもらったから……」


心配してそうな二人をなだめようと大輝は何があったかを話す。




そして広希が2人を紹介する。


「モルトケと幸乃だ、今回の作戦に加わる。よろしく」




あたりを見回す。


幸乃は策がある時以外は思ったままをそのまま口にするタイプでオブラートというのを知らない。


その彼女が開口1番に口に出す。


「4人で1部屋?」


そして驚いた顔を見せる




彼女は驚く、彼ほどの騎士なら収入だってそれなりにあるはずそれなのに何でツインルームの部屋に4人で泊っているのか?


景が答える


「部屋が空いてなくてツインルームを4人で使わなくちゃならなくなったんだよ、それでベットを二つホテルから借りてきて4人で泊っているんだよ……」




「ツインルームの4人使用ってことね」


腕を組みながらそうつぶやく幸乃。




「まいいわ、話を始めましょ」




彼らはこれからの話を始める。


それから互いの情報を交換し始めた。


情報の交換は30分ほどで話を終えた。




そして彼らは眠りに就こうとした時




海輝が幸乃に話しかける。


「少し、頼みがある……」

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