創造主の痣
一方遺跡では
グォォォォォォォォ
「まじかよ、来ないって思っていたのに!」
戦士たちの声
魔獣たちが突然襲来、軽く5~6体はあるだろうか
戦士たちもすぐに応戦する。
海輝達もすぐに戦いを始めるが
バタッ
「痛たたた」
戦い方を習っていない海輝、すぐに敵に吹き飛ばされる。
「そう言えばまともに教えていませんでしたね、戦い方」
イレーナがつぶやく。
「ああ、そうだったな……」
それに同調する海輝、教わったのはほんの基礎の部分、まだ戦うには不十分だった
「これが終わったら教えますね、またみんなで」
彼女はそう言い残すとすぐに魔獣たちに立ち向かっていった。
遺跡 最深部
魔獣たちと戦いを続けている戦士たちを横目に一人そこに立っていた。
「おお、調べた通りだ、これが結界か……」
国王ベイル、最初からこれがねらいだった。
「何の用ですか?」
誰かの声が聞こえる。
彼は120cmくらいのサイズで体は半透明で青白く、人間でないことはすぐに理解できた
「ネト、といったか。確か遺跡の番人というやつか」
ベイル、事前の資料を思い出す。遺跡には番人の聖霊がいるという事を。
「質問をしているのは私です、何の用ですか?」
ネトが問いかける。
「ここに来ている時点で何が目的化はわかっているだろう。この愚か者はそんなこともわからないのか?」
ドン
ベイル、ネトを蹴っ飛ばす。
「痛たたた」
目の前には結界、そしてその中には
「あれが痣、世界を創造したとされる創造主の力が宿り、世界でも5指には入るという力、それが今私の目の前に」
結界の中にある痣の力、そのデバイスを視界にとらえながら一歩一歩ゆっくりと近づいていく。
「もう、知りませんよ」
ネトのあきれた声。
その時、結界の入り口から声が聞こえる。
「させませんよ……」
ベイルが声がする方向を振り向く。
「イレーナ、それにほかの奴まで」
声の方向にはイレーナと海輝、アウベス。
「最初からこれが目的だったんですね?」
「初日と二日目は教会と宮殿に魔獣を召喚させ私たちの意識をそっちに逸らし遺跡班を油断させる。そして3日目にこっちにも魔獣を召喚させ戦士たちに奇襲を仕掛けそのスキに自分だけ最深部へ」
イレーナの問い、それに彼が答える。
「良く答えたじゃないか、貴様も見るがいい、新しき英雄が現れる瞬間を」
「させません!!」
イレーナが立ち向かう、しかし……
ドン
ベイルのが殴って彼女を突き放す、彼女の顔面に直撃。イレーナの吹き飛ぶ体。
そして…
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおお」
彼が結界に突っ込む。
ネトそれを見てイレーナに接近すると、彼女たちに聞こえるように囁く。
「まずはあの強力な結界を通過できるかが試練、並大抵のものでははじき返されるだけ……」
「ぐわあああああああああああああああ」
ベイルは叫びながら結界を通過しようとする。
そして
ドォォォォン
結界を通過し、中に入ることに成功するベイル。
「入った、入った、入ったぞおお!!」
歓喜の声を上げる。
そして
これが、世界の創造主のデバイス
結界の中、その宙に浮いているデバイスを手に取る。
ネトはそれを見て思う。
(結界は越えた、あとは彼のマインド次第……)
スッ
彼は手に取ったデバイスを発動させる。
「起動せよ、我に力を!!!」
デバイスが強く光り始める。
強い光に目を伏せるネトたち。
光が消える、次の瞬間に彼らが見たものとは
「ふははははは」
ドォォォォン
手から攻撃を放ち、彼は遺跡を破壊し始める。
そして
ダッ
いきなり走りだし、ここから飛び出していく
彼の変貌ぶりに唖然とするイレーナ。
「どうしたんでしょうか……」
「あーあ、やっぱり駄目だったか」
愚痴をこぼし始めるネト。
「彼を見た時からこうなるって思ったんだけど、予想は的中したよ」
イレーナか問いかける。
「どういう事でしょうか?」
答え始めるネト
「痣の力はね、心が邪念に染まっていると受け付けないんだ。それどころかビス・イン・ラクレイム、トラップパワーに染まってしまうんだ」
それが気になって質問する海輝。
「どういう事だ?」
「自分の邪な心に人格が支配される。恐らく彼は国民を自分の名声を築き上げるための道具としか考えていなかった。その心に人格が支配されたんだ」
ネトの推理。さらに問いかけるイレーナ。
「それで?」
「恐らく周囲を破壊し始める。国や国民が自分の道具としか考えていない彼は自分がうまくいかないことはすべて彼らのせいだと考えるからね」
ネトが淡々と表情を変えずにこたえていく。
イレーナの表情が青ざめていく。
「そ、そんな……」
「おまけに力自身は痣の力だけに強大、並の戦士じゃかなわないくらいにね」
愚痴をこぼすようにネトは語り始める。
「手段はあるんですか?」
少し考える、そして答える。
「うーん、戦って倒すしかないね、一回魔力が切れるとこの呪いは解けるから」
最後に一言。
「ま、それまでにどれだけ犠牲が出るかわからないけどね……」
海輝がそれを聞いて本音を漏らす。
「本当かよ」
「あ、そうだ!!」
何かひらめいたように話し始めるネト。
「だったら痣の力を手に入れればいいんだよ!!」
反論する海輝。
「だってそれには結界が」
すぐに言葉を返すネト。
「あんな結界一つ乗りきれないようじゃ、どの道彼とまともに戦うなんて出来ないよ」
そして言葉が出る、覚悟を決めた声。
「私がやります」
イレーナの声。それに答えるネト。
「おーそうか、君ならいけるかもしれないね!!」
心配する海輝
「大丈夫かよ」
それに答えるイレーナ
「はい、私、ミシェウの声を聞いて悩んできました、でも私は何もできなかった。
彼女のとっても、彼にとっても今は苦しくても、本当に良かったって思えるような事をしたい。それが今できるのなら、私やります」
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