ブンブン・モレーラ
翌日
エマナが海輝と広希の部屋に入る、景とイレーナも合流した。
これからの日程の説明で。
早速本題へ入る。
「早速ですが、これからの行程ですが……」
エマナが話に入る。
「まずヴァールヴァイク国へ向かってほしい」
景が思い出す。
「ヴァールヴァイク国?ああ北にあるあの国、でも何で?」
答えるエマナ。
「今度あそこでは聖地を巡礼するイベントがある、その時に祭司や国王を警備するのに人手が必要なんだ。それにあそこはこれから友好関係を作りたい、これから統一国家を作る際彼らのような地方の領主には従ってもらう必要がある、だからいいな?」
納得する広希。
「わかったよ、じゃあ行ってくる」
そして翌日、4人は旅に出た
歩いて二日目
道中 国境のジャングルを通り抜けるさなかの出来事
あたりは夕暮れ、歩くのに疲れた景がぼやき始める。
こっちの世界ではアマゾンのジャングルを彷彿させるような熱帯林の中をジャングル用の服装をした4人が歩く。
「そろそろ泊ろうよ、もう歩き疲れたよー一生分はあるいたんじゃない」
同じく歩きつかれたイレーナがそれに答える、どこかそれに同調しながら
「そうですね、確かこの辺りに泊る予定の宿泊施設があるはずでした、名前は確か……」
海輝、地図で名前を確かめる。
「ブンブン・モレーラだ、もう着くんじゃないか?」
その時、イレーナが前方を指差す。
「あれです、やった!!」
前方には木でできた小屋、ブンブン・モレーラ。4人がブンブンに入り、1泊する準備をする。
この世界ではジャングルの中に宿泊施設があり、それをブンブンって呼んでいるらしい。
食事の時間に入る4人
食事は俺達の世界から持ってきたレトルトのご飯と牛肉と夏野菜が入った缶詰
そしてレトルトのご飯を調理するためそして外の井戸から組んできた水を沸騰させる
ここぞとばかりに海輝は井戸から水を汲んできて加熱しようとするが
(あ、加熱器具忘れた)
うっかり加熱器具を忘れてそれを取りに戻る
そして加熱器具に水を入れるが
(あ、水が多すぎた)
今度は水を汲みすぎたことに気付く
(俺、要領悪いのかな……)
そう考えながら何とか水を沸騰させレトルトのご飯を調理する
そしてご飯を完成させる
今度は牛肉の入った缶と夏野菜を調理したものが入った缶を空ける
「うん、おいしそうなピーマンだなー」
景はそう囁く
そして4人は食事をとる
そして日が沈んだ頃に食事の時間になる、食事中
「あ……」
広希が何かに気付きフォークを止める
「ああ、広君ナス嫌いなんだっけ……」
それにイレーナが気付く、この夏野菜の缶詰には色々な種類の野菜が入っていた、そして……
「ほ、ほら私が食べるね」
そういって彼の缶からナスだけをとって自分の缶に入れていく
「あ、ありがと……」
「あ」
今度はイレーナがフォークを止める
「ほら、それ俺が食べるよ、ズッキーニだろ……」
それを見ていた広希が自分の缶にイレーナの缶のズッキーニを入れる
「あ、ありがと」
照れながら顔を赤くして礼を言うイレーナ、白い目で二人を見る景と海輝
さらに食事を進めるが
「あ、あの、これ……」
さらにまた広希が顔を少し赤くして目をそらしながらイレーナに頼む、苦瓜だった
「あ、いいよ」
そう言って彼女は苦瓜を自分の缶に取る
さらに箸を進めると
「あ、これ」
今度はイレーナが苦手なピーマンに気付く、しかも今度は
「フォークに刺しちゃった……」
そう、今度は刺して初めて気づいた、自分の苦手な物に
(う~んどうしよう)
少し悩むイレーナ、広希はそれに気付き視線を送る
そしてイレーナは大胆な行動に出る
「広君、口あけて……」
言葉通り彼が口を空けると
「えいっ」
そう小さな声で囁きピーマンがさしてあった自分のフォークを彼の口の中に入れる、彼はイレーナの真意を理解し彼女のフォークに刺してあったピーマンを食べる
そして彼女の缶からピーマンをとっていくと
「結婚しろ!!」
景が叫び始める、2人は顔を真っ赤にする
そして15分ほどで食事を終える
4人が寝る準備をしていると
ザッザッ
一階から物音
「来たね……」
景が囁きランプを消す
そう、景はゲリラなどの敵が襲ってくることを奇襲して一階の入り口付近に落ち葉をあらかじめ撒いてあった、そして誰かが侵入してくるとそいつが落ち葉を踏んで音で誰かが来たとわかるようにしていた
「隠れるよ」
景の言う通り4人は隠れる
それから30秒ほどすると2階の4人がいた部屋に彼らが入ってくる、3人ほどの彼らが周囲を見まわしていると
タッ
入口の右から景が出てくる、3人は景の方向を向き、戦闘態勢に入る
カッ
そこに逆方向からイレーナと広希が出てきて3人が敵を挟み撃ちにする形で交戦する
ドン!!ドン!!
20秒ほどで決着はつく
敵たちは一目散に撤退する
「ゲリラ兵みたいだったね、ジャングルではたまに出るんだ。近くに犯罪組織でもあるかもしれないね……」
そう景が推理する
そしてイレーナがほほ笑みだし一言
「海君、もういいよ」
ガラガラガラ
隠れていた海輝が出てくる
景が落ち葉を巻きなおしに行こうとすると
ザッザッ
再び誰かが落ち葉を踏む音
しかし音のタイミングがおかしい
「これ、四足動物じゃ?」
落ち葉を踏む音から広希がそう推理する
「確かこの辺りってトラがいるって有名ですよ」
イレーナが思い出す、この辺りにはトラがいるってことを
(ト、トラ……)
そう考え反射的にバリケードを作り始める海輝
景と広希が真相を確かめに下へ行く
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