内乱の先には

「話が早い、どの道そうするつもりだったからな……」




 4人が構える。


 スッ


 そして立ち向かっていく。




 戦いは広希とジェルジンスキー、イレーナとシャルルが相対する形になった。




 イレーナとシャルル、槍と剣を用いた接近戦。




 イレーナが槍を薙ぎ払う


 するとシャルルはそれをガードしカウンターを浴びせる


 イレーナも負けじと反撃する




 両者互角の戦い。


 その中でイレーナ彼の顔を見てとある名前をつぶやく。


「ドゴール?」


 その名前を発した瞬間、彼が表情を変える。




 ドン!!


 そしてシャルルの攻撃は激しさを増し、彼女を吹き飛ばす。


(こいつ、速攻で消す!)


 そう考え、吹き飛ばしたイレーナに追い打ちをかけようと接近する。


 しかし


(単純すぎます!勝負を急ぎ過ぎです)




 時空を束ねる力、光となりてその強さ、躍動せよ


 マッサリア・マーズ・エクスプレス




 ドォォォォン


 イレーナの攻撃が彼女に直撃する。




 スッ


 逆にイレーナがシャルルに接近。


 そして




 時 空 を 超 え る 力 、 今 敵 を せ ん 滅 す る 力 と な り 、     そ の 閃 光 貫 け


 ヘ リ オ ポ ー ズ ・ イ ク シ オ ン ・ ブ ラ ス ター




 ドォォォン


 大きな爆発音




 ドン


 それに追い打ちをかけるようにシャルルを蹴飛ばす




 勝負はついたようですね。


 スッ


 首元に槍の先端を置く。




(させるか!!)


 するとシャルルは一瞬のスキを突いてそこから脱出する。




 そして再び接近戦が繰り広げられる




 カン、カン


 接近戦


 広希とジェルジンスキー、両者互角の戦い。




 ドン!!


 その中でジェルジンスキー、広希に1撃。


 吹き飛ばす。追い打ちをかけようと接近する。


 吹き飛ばされた広希、呪文を唱え、反撃する




 応身なる姿、神々に轟かせる力示し、今ここに解脱せよ


 衆生のスフィア・バハムート




 ドォォォォン


 彼女に直撃。吹き飛ぶ彼女の体。反撃のため接近する。


「させない」


 そう囁き、すぐに体勢を立て直す。




 これで最後だ!!




   死 相 を 覆 し 最 後 の 希 望 、


   満 た さ れ ぬ 願 い 叶 え し 力 、 こ こ に 集 結 せ よ


   久 遠 の ス ピ リ ッ ト ・ シ ェ イ ブ ・ バ ハ ム ー ト




 広希の繰り出す攻撃、当たり1面が焼け野原と化す。


 煙で視界が効かない。




 広希膝をつく。


(魔力が底を尽きかけてる、強いけど使いどころを考えないとな……)




 煙がはれて視界が良くなる。


(さあ、どうなる)


 煙が晴れた後には


「ふう……」


 家の壁によっかかり座っている彼女の姿。




 そして立ち上がり…


「もう魔力が尽きた、素晴らしい腕だったよ、また再戦願おう」




「ふ、もう終わりか?」


「命が尽きるまでやるほどの仕事ではないのでな」


 シャルルが話に入る。


「ああ、マスターからはこの作戦はほどほどで帰ってよいと指示されているからな」


 その言葉に問いかける広希。




「マスター?誰だそれは?聞いたことないぞ?」


 シャルル、何かを思い出す。


「し、しまった」


 あきれるジェルジンスキー




「バカ、秘密事項を!」


「す、すいません」


 シャルル、顔を赤くして謝る。それを見た広希。


(あいつ、意外とアホだな、狙い目だな……)




「ま、すぐに知ることになるだろう、遅いか早いかの違いだ」


 そう言って彼女をフォローする。


「ではさらばだ、再戦願うぞ」


 スッ


 2人は去っていく。


 イレーナが口を開く。


「何とか、追い払いましたが、実力は相当の者ですよ、もし本気で来られたら……」


「ああ」




 広希がそれに答えていると、後ろから二人を呼ぶ声が聞こえてきた。


「おーい、イレーナ、広君―」


 後ろを振り向くとそこにいたのは


「景さん」


 景の姿があった


「どうした、海輝は?」


「宮殿に送ってサラとエーディンに任せたよ」


「それで何の用だ?」




「セフィルス教に秘密(黒)を見つけちゃってさ」


「何?どういう事だ?」


 スッ


 景、地球からあらかじめ持ち込んでいたカメラを取り出す。


「港の所の教会を調べてたらさ、隠し扉があって、これ、写真でとっておいたよ」


 カメラの撮った画像を2人に見せる。その画像に2人は驚く。




「これは、奴隷の人たちですね……それもこんなにたくさん」


 2人が見た画像、それは広くて薄暗く小さなろうそくだけが光源の部屋、そこにあふれんばかりに敷き詰められた奴隷たち。


「それとこれ~」


 スッ




 景が1枚の紙を見せる。2人は一瞬何の紙だかわからず疑問の表情。


 番号と地名が大量にひたすら羅列してある紙。


 すぐに意味を理解する広希。


「これ、まさかあの奴隷たちの番号と行き先?」


「恐らくね」




「それもあれだけ大量に、なるほど、売っていたんだな、海外に」


 広希の中にセフィルス教に対する敵意が芽生えてくる。


「すぐに政府に行こう、報告しろ」




 そう指示をすると


「確か、王子はあっちにいるって聞いたよ。東のほう」


 景が指をさす。


「わかった」


 3人がそっちの方向へ向かう。


 20分ほどたっただろうか、3人の視界に2人の少年が剣を交えているのを見た。


 すぐに理解した。それが誰と誰であるかを。




 カン、カン……


 フェグリスとエマナ2人の戦い。2人とも息が上がっていることから対決から時間がたっていてそろそろ決着だと感じた。




 ドン!!


 そしてエマナが彼の剣を薙ぎ払い突き飛ばすとデバイスである杖を空に上げ、呪文を唱える。




 破滅に導く闇を裁き、圧倒する力、降臨せよ!!


 アース・ガイアストーム・トライヤヌス






 杖から繰り出される岩が彼に直撃し、宙を舞う。




 そのまま倒れ込み、動かない。


「これで決着だ、勝負あったな……」


 そう囁いたエマナ、彼に近づき縄を取り出す。


「こんな関係になるなんて想像もしなかった、子供のころはな」


 そう言いながら縄で彼を縛り付けていると、背後から誰かの声が。




「終わったのか?」


 そう話しかける広希


「広君か、情けないところを見せてしまったな……」


 苦戦していたエマナ、そう返答する。


「どこがだよ、最後には勝ったじゃないか」


 彼は顔を赤くしててれ始める。




 そして顔をあげて口を開く。


「まあな、こっちはうまくいかないことだらけで失敗続きの中手探りでずっと戦って強くなってきた。少し失敗したくらいで立ち上がれない奴なんかには負けはしないよ」




 イレーナが質問する。


「この後はどうなるんですか?」


 淡々とした表情でそれに答える。


「とりあえずこいつの身柄は政府で預かる、恐らくは尋問して裁判だな、判決までは読めん」


 そしてそっぽを向き始め


「最悪な事態になろうとも」




「そうですか……」


 イレーナもそう囁きながら顔を下げる。


「あなたた達はこれからどうすつつもりかな?」


 エマナが質問する。


 そこに広希が話に入る。


「俺達は帰るよ、期末テストってのがあるんでね」


「それともう一つ、来週なんだが……」




「イレーナは来週こっちへ来ることになっている」


「海の日ってのがあってこっちは3連休なんだ」


 イレーナが確認する。


「はい、確かにそうです」


 広希が確認するように説明する。


「ああ…そうか」




「別にこの時期なら大丈夫だな、彼女が抜けても」


 先の予定を思い出す。


「その後俺達は夏休みに入る。そうすれば長い間こっちで行動できる」


 広希の説明。


「わかった」


 返事をするエマナ。




「じゃあ、2週間後、また会おう」


 そう言うと、手を挙げて3人はこの場を去っていった。



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