海輝の初めての戦い
イレーナも本を見る。
「す、すごい、これなら……」
「ど、どういう事なの?」
とても気になる自分の能力。
「これはですね……」
どこか動揺しながらイレーナが説明に入る。
5分後
「そ、そんな力が俺に──」
あまりの突然の話にかたまる海輝。
「ただ、力が強い分欠点もあるみたい……」
サラがそれを打ち明け始める。
──ゴニョゴニョ
「まあ、うまくはいかないか」
少しがっかりする海輝。
「まあ、鍛えていけばだれだって強くなれますよ、仲間もほかにいます」
イレーナのその言葉に海輝は安堵する。
そして3人は会計を済ませて店を出る。
「ご、ごちそうさまです」
海輝の言葉を発した瞬間
「と、とんでもないですよってあ……」
イレーナのポケットが突然青白く光り始める
するとそのポケットから一枚の紙を取り出す
「ギルドからの手紙です、緊急の通達が来るとこの紙が光るようになっているんです」
そしてイレーナが手をかざすと……
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥ
「すげぇ……」
驚く海輝
真っ白だった紙に文字が浮かび始める、浮かび上がった文字を読むと……
「緊急事態、魔獣出現、南部の草原地帯」
それを読んだイレーナが叫ぶ
「海輝さん、あなたの出番です、行きましょう」
そしていきなりの戦場行きに驚く海輝。
「え?俺、もう戦地に駆り出されるの?魔法の使い方とか、よくわからないし」
慌てふためきながら彼は言葉を返す。
「私が教えます、どうせ戦場に行く事になるんですから……」
フォローする景。
「確かに、口で教えるよりそっちのほうが早いかも……」
サラが後押しする。
「そうですね、他の説明は広希が来てからでもいいと思いますし」
同調するイレーナ。
「わかったよ、行けばいいんだろ!!」
渋々海輝はついてく事になった。
戦場へ向かうイレーナ達
見晴らしいの良い草原に着くと海輝は目を疑った。
「何だ、あれは」
彼らは目にしたもの。
戦場である草原をこの町に向かって進んでいる、禍々しく醜悪にゆがんだ外見、殺意に満ちた爪を持った真っ黒いモンスターたち。
「それはアルゴンと言います。魔獣というもので敵の召喚師たちがよく召喚するんです」
イレーナの解説が入る。
「群れで襲ってくるのが特徴で、召喚師という肩書の方が召喚しているんです」
「ま、海君ならいい練習台かな?例の術式の」
怖がっている海輝を見てサラとイレーナがフォローする。
「あ、あ、あ、あのあたりを狙って打てばいいんだね……」
彼らを指差して海輝が質問する。
初めての戦いにどこか緊張をしながら
「まあ、そうですが、落ち着いてくださいね」
それを見てほほ笑むイレーナ。
「じゃあ、教えるよ、海君のデビュー戦、まずはマジカルデバイスの召喚から」
サラが説明する。
「た、確か、まず念じるんだっけ……」
彼は緊張しながらさっき教わったことを思い出していく。
「来い。俺のマジカルデバイス!!」
シュウゥゥゥ
「本当に出た!」
マジカルデバイスに手を触れる。まるで剣みたいだ
この世界観には合わなそうな日本刀みたい
「次に想像してください、自分の術式を」
「ん?わかった」
サラに言われた通り想像してみる。
「本当だ……」
理由はわからない、でも、頭の中には浮かんでいる
「これが、俺が使える術式」
「その中にあるはずです、現存するなかでも最強クラスを誇る術式が」
イレーナは海輝をじっと見つめながら問いかける。
「ええっと」
サラの本に術式が表示される。
文字を読み、そして特定する。
「え~と、これか?」
さらにイレーナの説明が入る。
「敵はあっちです、あなたの術式を試すために味方の応援はまだ応戦していません、遠慮なくやってみてください。」
──ふぅ
上がっている気持ちを何とか落ち着けさせ、意識を集中させる。
そして口を開く。
精いっぱいの感情をこめて!!
大 い な る 創 星 の 力 、
こ こ に 示 し 大 い な る 世 界 の 王 の 力 ・ 解 き 放 て
ヘ ル ヴ ィ ム ・ シ ュ ー テ ィ ン グ ブ ラ イ ト ・
創 天 の ス タ ー リ ウ ス
呪文とともにデバイスが光り出す。
──そしてデバイスから解き放つ攻撃。
まるで光線が解き放たれるように……
そして吹き飛ぶ。
海輝の体。
先ほどでの宮殿での話。
「最強クラスの術式?」
1度は耳を疑った、この俺にそんな術式が?
「ただ、この術式、代償がすごいんです。」
本で得た知識を思い出しながらサラが答える。
「まず反動で自分の体が吹き飛びます。」
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ」
吹き飛ぶ海輝の体。
ドォォォォォォォォォン!!
大きな爆発音
ブォォォォォォォォォォ
アルゴン達は悶絶し、叫び声を上げながらまるでドライアイスを常温に置いていた時のように
煙になって消滅していく
一方海輝は──
バタッ!!
そして彼の体が地面にたたきつけられる、だが骨が折れたりしている感覚はない
そして立ち上がろうとするが
(やばい……)
彼は体の底から湧き出る倦怠感を感じていた。
「ってあれ?」
(体に力が入らん……)
「敵は殲滅しました、素晴らしいです」
イレーナのほほ笑んだ天使のような顔、思わずドキッとする。
「いい力ですね、鍛え方次第ではモノになりますよ」
そこにはイレーナ達の姿があった
「魔力に包まれている間は、体に傷が入ることはないんです剣で刺されても、痛みはありますけど……」
困惑している海輝にサラが説明する
「す、すみません」
慌てて立ち上がろうとする。
フラッ、バタン
「あ、あれ──」
しかし自分の意志とは反して足に力が入らない。
倒れこむ海輝。
「まだ駄目です、それくらいあの術式は反動がすごいんですから……」
慌てて景が答える。
「いててて、そうなの?」
倒れた海輝、2人に質問する。
「はい、あれだけの魔力を使ったら、普通の人はしばらくは動けなくなるくらい体に負担がかかります。それに海君はまだ魔力の制御の経験がない、だから…」
「ま だ 絶 対 に 1 人 の 時 に 使 っ て は い け ま せ ん よ 」
表情が真剣になり、忠告するイレーナ。
カッカッ
そこに誰かがやってくる。
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