第10話 ⬛︎⬛︎⬜︎と⬜︎⬜︎⬛︎
「君はもっと自由に生きて良かったんだ」
ぼんやりとした意識の底で、声が聞こえた。
「大河……?」
國彦の目の前に、剣持大河が立っていた。
彼の記憶の中と変わらない姿。笑顔で、世界を救うと豪語していた時のままだ。
「これは君の記憶から借りた姿に過ぎない。二度と、介入はしないと思っていたが」
「お前まさか」
「君達がドンナーと呼ぶ存在だ。君はオルムの陰に襲われ、死に瀕した」
「お前がドンナーだと言うなら文句がある。どうしてオルムの影響を全て消さなかった。これでは中途半端だ」
國彦は大河の姿をした何者かに、そう吐き捨てるように言う。
「そう言うな。僕にもできることとできないことがある」
「神様然としている癖に」
「僕が君らの言う神のような存在であることに間違いはない。だから、僕の介入はこれが最後だ。一応聞いておこう。君は生き方を変えるつもりはないのか」
「ない」
「即答かよ」
大河の姿をした何者かは、くつくつと笑った。
「良いだろう。君とエルラチカがそうやって未練を捨てないというなら、その為に僕も力を貸そう。僕の望んだことではないが、一度は僕の力を分け与えられた君相手だ。特別サービスだよ。さあ、起きたまえ」
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