第4話
「おに... おい、クズ! お前に荷物届いてるぞ。」
呼んでもお兄ちゃんは部屋から出てこない。
「はぁ…いつも通りPCゲームかな。」
にしても、学校以外で外に一歩も外に出ないお兄ちゃん宛に荷物なんて...
気になった。
でもそれと同時に、 嫌な予感がした。
だって届いた荷物は差し出し人、住所不明だったから。
気味が悪い...
手に持った荷物をじっと見ながらそんなことを考 えてたら後ろから手が伸びて僕の手から荷物を取り上げた。
「荷物なんか頼んだか?まぁいいや」
クズだった。
「あっおにいちゃ」
バタン、 ガチャ
呼んでやったのにクズは感謝の1つもなく部屋に
戻って鍵を閉めた。
「...はぁ」
ほんと、なんでこうなったかな...
お兄ちゃんはクズに...いや、 それは昔からだったけど。
数年前から余計におかしくなった。
両親が急にお兄ちゃんのことをこれからはクズ呼 びして、お兄ちゃんをクズのように対応しろと言 ってから。
「んで、これだからの?」
えー差し出し人、 住所不明...
「いや、怖すぎだろ、なんか大きさの割にやたら軽いし。」
荷物はノートPC1台入りそうな大きさなのに、ラ ノベ1冊程度の重さしか感じなかった。
「まぁとりあえず開けるか。」
開けると中には花が敷き詰められ、中央には手紙
が1通置いてある。
傍から見たら素敵なプレゼントにも棺桶にも見える中身だった。
「なんだこれ?」
手紙を取って宛先を確認した瞬間、思わず苦笑いをしてしまった。
「亡霊ってか?」
そこには、数年前までよく遊んでいたメンヘラ自 殺女のH.Nが記されていた。
亡霊なんて信じる訳もなく、 何も考えずに手紙を 開くとそこには憎悪と殺気に満ち溢れたような血の色で俺に対するラブレターが綴られていた。「うわぁ、気持ち悪っ、 ほんとにあの女みてぇな 感じがするわ。」
そう言って手紙が入っていた荷物ごとまとめてゴミ袋にぶち込んで捨てた。
後で調べたが荷物に入っていた花はマリーゴールドとクロユリらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます