第10話 世界が変わる

ミズキのキレイな横顔を見つつ、コーヒーをすすっていた私、アヤ。

ミズキはパフェに夢中になっている。

最近、なんだか胃もたれなのか、あまり甘いものを食べられない。

ミズキにパフェに刺さっているポッキーをもらいつつ、お話をした。


「あのね、アヤ」

「?」

「私って、変なのかな…?」

「どうして?」

「ずっとね、アヤのことを思うと、ドキドキするんだ」

「私はミズキのヒーローだからね」

「そうじゃなくて!!」


ミズキの声が強まる。


「私ね、アヤのことが本当に好きなんだと思う」

「え…」

「さっき、丸刈りに冷やかされたんだ、レズなのって」

「でも、私、アヤのことが好きなんだって、気がついたんだ」

「ミズキ…」

「大丈夫、迷惑なら今後近づかない、話さない」

「そんなことない、私もミズキが好きだよ」

「…本当?」

「うん、これからも、このまま仲良くしてほしいです」

「うん、よろしくね」


こうして、私達の青春は、始まった。

かとおもった。












私の体調がずっと悪かったことを気にかけた母。

そういえば、不正出血が度々出ていることがあったので、そのことを話した。

急いで婦人科を受診することになった。


「黒川アヤさん、大変申し上げにくいんですが、子宮がんになっています」

「え?」

「あまり、状態が良くない。若年層のがんは進行が早いんです」

「え…」

「もって、半年、です。もちろん、私達ができることは全てします」


そんなことを言われて、母と帰ってきた。

母はずっと泣いていた。

父が帰ってきて、事情を話すと、滅多に泣かない父も、泣いていた。




それ以来、私は学校を休みがちになってしまった。

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