第9話

少しの間僕らは唇を重ねていた。

唇を離し

僕は

「結ちゃん、本当に僕なんかで良かったの?君はファーストキスを無くしたかもしれないんだよ?」


『いいの、お兄ちゃんだからそれにお兄ちゃんが好きで好きで仕方ないの結婚したいくらいに好き』


「でも今の僕に出来ることは無いかもしれないよ」


『キスは今後もしてくれる?』


「もちろん結ちゃんがそれを望むなら僕は叶えてあげたい」


『じゃあいい』


それから僕は結ちゃんに質問することにした。「結ちゃんは彼氏が欲しいとか思わないの?」


『ん?彼氏?いらないよ!お兄ちゃんがいるから!』


(ちょっと不安だけどまあ変な虫が着くよりかはいいか)

と安心したところで、そろそろ寝る時間なので寝ることにしたのだがここで問題が発生した。それは……結ちゃんと同じ部屋で寝ているのだ。


(え?ちょっと待って!ほんとに一緒に寝るの!?)

僕が驚いていると彼女は再び抱きつきながら上目遣いで僕のことを見つめながら、


『お兄ちゃん……』


と甘えた声で囁く。

その声を聞いて僕はドキッとしたが理性を保つためにも必死に耐えていると、不意に結ちゃんは僕の胸の中に顔を埋めてきた。そしてそのまま眠ってしまったようだ。


(はあ……結局寝る時間無くなっちゃったな)

僕は苦笑しながらも結ちゃんの寝顔を眺めているうちにいつの間にか瞼が重くなっていきやがて眠りに落ちていったのだった……。翌朝、目が覚めると腕の中に結ちゃんの姿がないことに気づいた僕は慌てて起き上がったのだが、すぐに彼女が戻ってきたので安堵の息をつく。


『あ……おはようお兄ちゃん……』


眠そうに目を擦っている姿はとても可愛らしく見えると同時にどこか艶めかしい雰囲気も感じさせており僕は思わずドキッとするのだった。

「おはよう結ちゃん」

と言って軽く頭を撫でてあげると彼女は嬉しそうな表情を浮かべてくれた。


そんな彼女の様子を微笑ましく思いながら朝食の準備を始めることにしたのだが、その際にふと気になったことがあったので彼女に聞いてみたところ意外な答えが返ってきたのだ。


『今日の朝食は何にする?』


と。僕は少し考えた後に答えた。

「フレンチトーストでも作ろうかな」

すると彼女は目を輝かせながら前のめりになって食いついてきたので笑ってしまったが、喜んでくれたみたいでよかったと思う。


そして一緒にキッチンに立って料理をすることになったのだが、途中で結ちゃんが僕に抱きついてきたりして大変だったけれど何とか完成させることができたので早速食べることにした。もぐもぐ……うまっ!

結ちゃんの方を見ると彼女も幸せそうな顔をしているので自然と笑みが溢れてきた。


『お兄ちゃん大好き』


彼女はそう言いながら再び僕に抱きついてきた。「僕も好きだよ結ちゃん」


『嬉しい……』


と呟きながらも僕から離れようとしないので、僕は苦笑しながらも彼女の頭を撫でてあげた。すると彼女は気持ちよさそうに目を細めてくれるのでもっと撫でてあげたくなってしまったが、これ以上すると料理が冷めてしまいそうだったので仕方なく手を止めることにしたのだ……。


朝食を食べ終わった後、僕は結ちゃんのことが心配だったので彼女に

「今日は一緒に遊ぼうか」と言ったところ


『うん!遊ぶ!』


と言って嬉しそうに微笑んでくれたのだった……。

(よし、頑張るぞ)

僕は気合いを入れると結ちゃんと一緒にリビングに向かうことにした。そして早速2人でゲームを始めたのだが、最初はぎこちなかったものの時間が経つにつれてだんだんと慣れてきたのかスムーズに進めることができるようになった。


『やった!勝ったよお兄ちゃん』


「おめでとう結ちゃん」と言いながら彼女の頭を撫でてあげると彼女は嬉しそうな表情を浮かべた後、僕に抱きついてきたのである。


(え?なにこれ可愛いすぎるんだけど)

と思いながらも僕は彼女の背中を優しく抱きしめてあげることにした。すると結ちゃんは僕の胸に顔を埋めてきたので頭を撫でてあげたら気持ち良さそうにしていたのでしばらく続けることにした。


数分後、彼女が落ち着いたようなので体を離すと今度は僕の膝の上に乗ってきて抱きついてきた。


『お兄ちゃん好き!』


「うん……」

(まずい、この状況は色々とまずいぞ)

と心の中で焦りながらも何とか平静を装っていたのだが……やはり無理だったようで僕の顔が熱くなっていくのを感じた。


それからしばらくの間、僕は結ちゃんを膝の上に乗せたまま過ごしたのだが、途中で結ちゃんが僕の膝の上から降りて別の場所へと移動しだしたので慌てて追いかけることにした。そして彼女に追いついた僕はそのまま後ろから抱きしめてあげたのだが、結ちゃんは抵抗することなくされるがままになっていたので僕は安心したのだった……。


その後、しばらくお互いに無言で抱きしめ合っていたが不意に彼女が口を開いたので耳を傾けることにしたのだが、聞こえてきた言葉はとても衝撃的なものだった。


『お兄ちゃん……キスして欲しいな……』


と上目遣いで言ってくるので僕は動揺しつつも「もちろんいいよ」と答えるしかなかった。だが、いざするとなると緊張してしまいなかなか踏み出せないでいたのだが、結ちゃんはそんな僕の様子を見兼ねてか自分から近づいてきたのである。


そしてゆっくりと唇を重ね合わせることになった。

「結ちゃん……好き」と僕が耳元で囁くように言うと彼女も恥ずかしそうにしながらも小さな声で答えてくれたのだ。


『私も大好き……』


それを聞いた瞬間、僕は胸が熱くなるような感じがした。

その後しばらく僕らは無言で抱き合っていたのだが不意に結ちゃんが口を開いたので耳を傾けることにしたのだが、聞こえてきた言葉はとても衝撃的なものだった。


『お兄ちゃん……結婚しない?』


「はい?」

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