第15話 昼食

「やばい、吐きそう」

車で移動中に突然林田が言った。

「大丈夫?」

森崎さんは心配そうに林田にそう言った。

「大丈夫……じゃないかも…」

「もうちょっとで着きそうだからあと少し頑張って!」

そう森崎さんが林田を励ました。


5分もしないうちに目的地の小豆島の岸本部長のおばあちゃんの別荘に着いた。

「林田くんが今はまだ動けそうにないから私達は今日はこの別荘で過ごすことにするよ。だから佐藤さんだけで今日は出かけてもらっていい?」

そう森崎さんが言った。

「私も掃除とか色々しないといけないから、今日はこの別荘にいることにするよ」

部長がそう言ったので僕と佐藤さんと泉は3人だけで出かけることになった。


「行ってきます!!」

僕たちは部長たちにそう言って別荘をあとにした。

「どこに行く?」

僕は2人にそう聞いた。

「お昼を食べに行きましょうよ。もうお腹ペコペコで死にそうです」

そういえばもう1時過ぎだった。

僕もお腹ペコペコだ。

「相変わらず泉は食いしん坊だな。僕もお腹すいたしそうしよう!」

「せっかく小豆島に来たんだし、名物ノ物食べたいね」

そう佐藤さんが言うと、泉は

「小豆島はそうめんが有名らしいですよ。この店とかいいんじゃないですか?」

と言ってスマホの画面を見せてきた。

「やけに詳しいね」

「食べ物のことは完璧に予習してきてるので」

泉はドヤ顔でそう言った。

「そ、そうなんだ。そうめん美味しそうだからその店にしようか」

僕は泉のドヤ顔に圧倒されながらもそう言った。

そうして僕たちはそうめんを食べに向かった。


「結構並んでますね」

泉が言った通りかなり混んでいる。

「別の店にする?」

「でももうそうめんの口になっちゃってますよ…」

泉がとても悲しそうな顔をしながらそう言った。

そんな顔をされちゃうと並ぶしかなくなるじゃん……

「じゃあ並ぼうか」


結局30分くらい並んで店に入った。

「もうお腹ペコペコだよ」

「さあ注文しよう」

すいませーんと僕は店員さんを呼んで注文した。

もちろん泉は大盛りを頼んだ。


「ふう、お腹いっぱいだね」

佐藤さんはそう言った。

すると泉が

「それじゃあ私は林田先輩が心配なので、もうそろそろ別荘に帰ります。ここからは2人で

楽しんでください」

と言った。

「林田はただの乗り物酔いだと思うから大丈夫だと思うよ」

僕がそう返すと

「可愛い後輩からの配慮に気付かないなんて先輩は鈍感ですね」

と言われた。

僕が配慮ってどういうことだろう思っているうちに泉は別荘に帰っていった。

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