第6話 English

今日は英検の3日前だ。

「やばいやばい。このままじゃ英検に落ちちゃう」

「じゃあ今日の放課後カフェで一緒に勉強しようよ」

佐藤さんは英語が得意なので次の英検も余裕そうだ。

でも僕は英語がかなり苦手なのでかなり追い込まれている。


その日の放課後僕たちはカフェに勉強をしに行った。

「僕はホットコーヒーで」

「じゃあ私はホットココアで」

「涼くんよくあんなに苦い飲み物飲めるね」

「コーヒー美味しいじゃん。そういう佐藤さんはココア好きだね」

だよ」

佐藤さんは少し恥ずかしそうにした。

そんなに佐藤さんはココアが好きなことを人に知られることが恥ずかしいのだろうか。

「そんなにココアが好きなんだ。でもたまにはコーヒーも飲んでみれば?おいしいよ」

「あんなに苦い飲み物を飲むなんて絶対嫌だ」


そんな事を言っていると注文した飲み物が届いたので僕たちは勉強を始めた。

成績を効率的に上げるために僕は英語が得意な佐藤さんに勉強法を聞いてみようと思ったので

「僕、リーディングとライティングは合格点を超えられるんだけど、なかなかリスニングが合格点を超えられないんだ。佐藤さんはいつもどんなふうにリスニング力を伸ばしてる?」

と聞いてみた。

「リスニングはとにかく英語を聞く機会を増やすと良いと思うよ。例えば海外ドラマを字幕で見てみるとか」

「でも僕、海外ドラマ見ないからなぁ」

「じゃあ私との会話を英語にしてみる?私昔から英語習っていて発音に自信あるから」

「別にそこまでしてくれなくてもいいよ」

「でも、そうしないと合格できないよ」

「じゃ、じゃあお願いします」

僕は半ば強制的に佐藤さんの提案に乗ることにした。

「Let’s start talking in English(英語で話し始めよう)」

「えっ、もう英語で話し始めるの?」

「Speak in English(英語で話してよ)」

「OK(わかった)」


その後僕たちは英語で話しながら勉強を続け、暗くなったので帰ることにした。

「Well, it's already dark outside, so let's go home(じゃあもう外も暗くなったから帰ろうか)」

「Let's do so. Go ahead and pay your bills(そうしよう。じゃあお会計をしようか)」

僕は勉強を教えてもらったので、今日は佐藤さんの分も払おうと思った。

「I'll pay today(今日は僕が払うよ)」

「Do you want to look cool?(カッコつけたいの?)」

「No.I thought I'd pay because you taught me something today(ちがうよ。今日は勉強を教えてもらったから払おうと思ったんだ)」

「Really?Well, if you can pay, please(本当に?まあ払ってくれるならお願いします)」

僕は佐藤さんの分もお金を払った。

「Thank you(ありがとう)」

「you're welcome(どういたしまして)」

「Ryo-kun is kind enough to pay for me(私の分まで払ってくれる涼くんは優しいんだね)」

「That's not true(そんなことないよ)」

そう僕が言うと佐藤さんは早口で何かを言った。

「That's why I like Ryo-kun(そういうところがあるから私は涼くんのことが好きなんだ)」

でも僕には聞き取ることができなかった。

「I couldn't understand, so please say it again(聞き取れなかったからもう一回言って)」

「What I said earlier is a secret(さっきなんて言ったかはないしょだよ)」

僕は英検の勉強に追われていたのでその時佐藤さんが何を言ったかはあまり気に留めなかった。

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