第9話 +?
(???)
赤ちゃんの泣き声で目が覚めた。
私は死ななかったのかと思ったら、そうじゃなかった。
時間を確かめたら次の日の月曜日になっていて、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。
家の奥からガタっと音がした。
ぎくしゃくした動きでリビングに現れたのはお姉ちゃんだった。
お姉ちゃんは泣き叫ぶ桜ちゃんを抱っこしてゆらゆらさせる私を見て、信じられないものを見たかのように目を見開いた。自分が死んだことよりも驚いているみたいだった。
それがおかしくて私は笑った。
なんだか体が強張っていて、変なふうに唇が歪んでしまった。
固まるお姉ちゃんと、赤ちゃんをあやしながら変な顔で笑う私を見つけたお母さんが、リビングのドアにすがりつくようにして泣いていた。
『〝2~7〟の人間の蘇生が完了しました』
リビングのテレビがいきなり点いて、パソコンに文字を打つみたいにローマ字が一文字ずつ日本語に変換されてひとつの文章を作っていく。
『今回の七日間で罪を犯した人間は次の〝1〟です』
死ぬ前に酷いことをした人間の様子がテレビに流れていく。中には私をレイプしようとする男の姿もあった。
『次の粛清は十月七日から』
どこから撮っていたんだろう。私の顔にはモザイクがかかっている。でもわかる人にはわかってしまう。お母さんとお姉ちゃんが青ざめた。
『本日から十月七日の期間に罪を犯した人間は次の〝1〟です』
・
後日、〝1〟以外の人はみんな生き返ったこの不思議な現象は、世界中で起こったものだとわかった。
その意味深なメッセージ受けて捜査が行われて、あの
季節が過ぎて〝次の粛清〟が起こって、私を襲ったあの男は〝1〟を割り振られて死んだまま、生き返らなかった。
犯罪者は全員〝1〟だった。
だから、つまり、お父さんは――お父さんは、
end
突然終わる世界と週末のJC 万丸うさこ @marumaru-usausa
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