農業実習~会計年度職員から先の未来~
「障害者の会計年度職員を卒業したら、何がしたいですか?」
その質問の返答を考えておいてね、と就労移行支援事業所スタッフ一同から言われた私。
とりあえず考えてみたんだけど、何一つ思いつかなかったんですよね。
そして試験当日。
聞かれたんだわ、案の定。
「えーっと、とりあえず、事務か清掃……ですかね?」
未来が見えないので、精一杯会計年度職員で経験できる職種を絞り出します。
しかしここで面接官からトドメの一言。
「何一つ考えてこなかったんですねー」
と。
いや、考えてないわけじゃない。
経験していないからわからないだけなんだよ!
と下唇を噛みながらやるせない気持ちを抑えた面接なのでした。
が、試験合格後、転機が訪れます。
☆農業実習参加☆
「おじゃがさん、農業実習参加してみない?」
就活コースの利用者から誘われた私は、利用者2人と教室長より偉い人と共に畑作業に参加。
実は前にいた就労移行支援事業所にいたときも独自の農業実習には誘われたことがあったんだけど、利用者の常識のなさと人の多さと体力のなさで断念。
だけど、その過去の不安にも私は動じなかった。
だってどうせ卒業するんだし、ここでしか出来ないことしたいわ。と思った私は、就活コースの利用者に仲介をお願いし、連れて行ってもらうことになった。
作業は新鮮なニンニクの収穫と仕分け、ズラリと50mくらい敷き詰められた乾燥ニンニクの葉を1玉づつ切り落とすもので。
だいたい200~300玉刈り取ったかな。
この単純作業は私に結構向いていました!
チームワークもまずまずでしたし、協力できたかなと(我慢してないとは言ってない)。
りんごやミカンなどの収穫はとっても重くてとてもじゃないけどつらい私ですが、ニンニクの収穫は苦なくできました。
農業がすべてできないわけじゃなくて嬉しかったです(虫が平気とは言ってない)。
そのとき私は思うのです。
「業界、農業を視野に入れてもいいかな」と。どの道公務員の会計年度職員を3年より多く続けることは規定違反になってしまう。
農業実習では、たくさんの恩恵をいただくことができました!
☆引きこもりでも未来は描ける☆
仲の良い利用者Hに農業実習の話を伝え、農業の業界も視野に入れてみたいと話をすると、彼女はこう笑った。
「おじゃがさん、公務員の期間限定アルバイトのその先の未来が見えて、楽になったでしょ?」
と。
「まぁね。道がひとつでも見えたからね」
と私が微笑むと、
「おじゃがさん、見通しが見えると頑張れる人だもんねー」
とHはいたずら好きな小学生のようにくしゃっとした笑みを見せてくれたんですよね。
実際に決まったわけじゃないけれど、未来が描けただけでも不安な気持ちが和らいでいくんですよね。今度は家にある農業の本とか読んでみようかな?と思っています。
月曜日も倉庫実習でおそらく葉のないニンニクの根を刈る仕事を行うだろうと思います。
ちなみに農業実習やった次の日全身筋肉痛となりました。農業は重労働だと語ってこの話のオチをつけたいと思います。
引きこもり筆者の家ライフ! おじゃが @ojaga1006
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