第1話ようこそ樹海へ「2」

逃げろ、逃げろ、逃げろ、

生きていてこんなにも全速力で

走ったことがあるだろうか

命の危機を感じると人間はこんなに

早く走ることができるんだな

ここが地獄なのか天国なのか

それともどこか違うところなのかは

わからない。でもこんなの逃げるしかないだろ

森の中をただひたすら走る。

俺が必死で逃げてるにもかかわらず

ドラゴンとの距離は変わらない

唸り声を上げて追いかけてくるドラゴンに

こんなのどうすればいんだよ

どれくらい走れば逃げ切れるんだよ!

もう10分以上は走ってるぞ?

諦めろよ!!

ん?待てよもう10分以上全速力で

走ってるのに全然疲れない

むしろまだまだ走れる。俺こんな体力

あったっけ?よくわからないけど

これなら逃げ切れるかもしれない。

ドラゴンは疲れてきてるのかさっきより

スピードが落ちてきている気がする

とりあえず向こうが諦めるまで

走り続ける!!!



全速力で30分くらい走ったとこで

ドラゴンは諦めたのか方向を変えて

去っていった。

ドラゴンが去っていったのを確認して

俺はその場に座り込んだ。


「死ぬかとおもった、、。」

独り言が寂しく響き渡る。


周りを見渡してもさっきと大した変わらない

森が広がっていた。

ここどこなんだよ、ドラゴンなんて

漫画や小説の中の生き物だろ

しかも俺あんなに全速力でずっと

走ってたのになんにも疲れてない

正直体力はそんなにない方だから

こんなに走れる訳はないのに。

疑問ばかりだ。


考えても仕方ない。喉乾いたな。

喉が乾くってことは生きてはいるはず

天国ならきっと喉は乾かないはずだ

生きているなら水や食料が必要だ。

まずは水だ。さっき全速力で走ったときに

湧水があるのを見た。

あっちに戻るのかぁ〜

またドラゴンに遭遇したらって

考えただけで怖いよなぁ。

でもここに居たっていつあんなのに

遭遇するかわからないもんなぁ

水がないとどっちにしても生きてけないし。

よし!また遭遇したら逃げればいいだけだ!

勇気をふり絞ってさっき逃げてきた方向に

進み始めた。

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転生物語 @rinrin1108

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