第11話 電話の相手

最近【鴉】の様子が変だと思う。【燕】はなんとなくだけどいつも恋人にかける電話にしては謙っている。盗み聞きだけどもな。


相手は誰だ?どんな娘だ?聞いてみるのが一番か。。

そこでチャンスが訪れた。

今夜は小さな飲み会をするらしい。『れいぅんとキャロル』の隠れたレストラン。酒が甘いカクテルしかないがちょうどイイ。バーデンダーはこのためだけにいるスマートな風の男性。【ヒヨドリ】だ。


【隼】に話を持ちかけた。アイツは「お!そうなのか!?アイツああ見えて恋人いたのか!!気になるぜ俺も!」そう言って盗聴に付き合ってくれることになった。

「しかし、、、お前も色恋沙汰に関心示すぐらいには元気出たか?気になるんだ?」

「いや、、、、それもそうだけど、、、なんか盗み聞きした感じだと恋人って雰囲気じゃないんだよな。。目上の方に話しているビジネスマンみたいな。。。何か嫌な気がするけど頼まれてくれる?」

「恋人じゃなかったらってことか。。」

「話が早くて助かった。」


そうして、、、宴会をしながら盗聴器をこっそりと【隼】はいとも簡単に【鴉】に気づかれずつけた。



30分ーー経過。


俺たちは携帯でショートメール送り合いながら【鴉】が恋人に電話かけるのを待っている。そして時は来た!!

ピロロロロンンン♪いつもより高い音声の【鴉】恋人用の電話着信音。

俺たちは盗聴器に必死になって耳を傾ける。


そこで聞いたのは、、、、『やあ、、、今は【鴉】かな?宴会だって?お気楽だね。。。私の可愛い息子はどうしている?』


ーーーー時が止まった気がする。


聞きたくて聞きたくて聞きたくない憎い憎い憎い声だった。俺の父親。。【鳳凰】。。犯罪界の解放者。


ショートメールに『落ち着け。』と送られてきた。

そうだ、、、今から俺たちは2人で生き抜こうと誓ったばかりだ。

『さんきゅ。それから、、、なぜ情報が漏れてるか目星ついたな。』

『ああ、、、仲間の中にまで手の内だったとは。』『通りで毎年俺の誕生日に顔だけ出さないわけだ。』


『【鴉】のケータイに仕込めるか?何か?』

『音量でかくしてやるよ。』

スピーカーついてたのか。


ーーーー『【鳳凰】様、、、!!どうしたのですか!?何かいたらぬことでも!?』

ーーーー『おばかくん、、、君はもうスパイとしては扱えないねえ。。そこのみんなにミンチにしてもらうとイイよ。。はっはは。ごめんねえ。替えのスパイ送るかもねえ。【NST】のメンバーたち!!君たちも暴力を味わいたまえ!!では私はこれで!!』

ブツーーツーツーツー。


【鴉】はスピーカーケータイを握りしめて青ざめていた。


【鳳凰】の声は賑やかは飲み会の中でも透き通って聞こえた。みんな【鴉】を白い目で見ていた。

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