第4話 プロセスとプログラム
【NST】での基本的な行動プログラムは、警察から裏で手回しされた、警察では法律的にできない厄介なものを押し付けられる。そこにスパイとして潜り込んだり、ハッカーとして活動して、社会的に邪魔である組織のシステムブロック解除だ。
全部の組織員を把握しているのは、メガネをかけた副担所長の【鴉】だけだ。【鴉】というのに、どこか潔癖症の彼を揶揄れる奴はあまりいない。顔は神経質の軟弱のそれだが、怒りに満ちた時の声音は鬼のようなガンギマリだ。それに細身でありながら、表では剣道の6〜7段だという。流石に盛りすぎだろう。
基本プロセスは全員で犯罪しながら反対的に【犯罪史】たちを絞りあげることだ。もちろん死んだら、葬式も何もない。警察からも裏で処理されて、新聞の端にも掲載されたことはない。基本的に行動のソレは犯罪であるからだ。警察にとって使い勝手のいい駒というわけだ。
俺たちは自分以外の犯罪者もしくは組織を【犯罪史】と呼んでいる。好意ではなく、表舞台に一応立てる彼らを憎しみ込めてそう処理している。
【犯罪史】の祝いの日。彼らたちの全犯罪プログラムが完成した時ーー異常な犯罪者【燕】の父親が
【燕】は役立たずとして証拠隠滅として邪魔な売り物として殺されかけた。
彼の父親は未だ未練があるのか。今日という日、犯罪として俺を【祝って】くれるらしい。この5年間、殺されかけたりしたが、いつも燕に助けられる。それは【燕】自身の誕生日だからなのか、俺に情が移っちまいやがったのか。気まぐれないつもの彼の顔からは見破れない。それとなく聞いたところ、「あんたがいる場所が俺の行動プロセスの通り道にあるだけだ。。」そう呟き返すばかりだ。意地を悪くもう一層、聞き返す俺も悪いが、邪魔なら消せばいいのに、、、そう言ってやったら。
こいつときたら、
「プログラムとしてあんたの存在は!もう、、俺の一部なんだよ!」と泣きながら言う彼を、
揶揄れるようには、もう、なれなかった。俺も腑抜けたもんだろ。
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