第2話 5年前
ハッピーバースデートゥーユー。ハッピーバースデートゥーユー。
たすけてたすけて。
でもたすけないでほしい。誰かが死んでしまうから。
5年前の俺【ツバメ】はそう願っていた。まだ10歳だった。
俺の父親が仕組んだ全国の犯罪防御システム稼働不可能装置を完成に伴い、犯罪がこの街に運びったあの時から。父親に捨てられたから。犯罪史に連なるクズどもの下郎になったあの日からーー。そして犯罪者が憎いお偉いさんたちの下郎になった時から。
ケーキには毒が仕込んであった。お腹が痛くなってゲロとウンコを漏らした。それをドブネズミが喰らう。
犯罪者たちとその組織の反対者たちの人質として保護されていた俺を救ったのは、あの日たまたま通りすがりしていた裏稼業の【はやぶさ】だった。彼は警察官から蹴落とされて、それでも裏の顔で仕事をしているさえないけどどこか行きたい場所がありそうな25歳の若造だった。
銃を持っていいのは警察官だけという俺の常識を覆してくれた。
彼は銃で俺を【お祝い】してくれた父の信奉者たちを始末した。
彼は言った。(俺の居場所で働くのはどうだ?)(父親がいないと、そう言ってくれ、、、)
血まみれの、、、でも、、、温い分厚い手で俺の頭をゴシゴシ撫でて優しい声で言ってくれた。
ーーーあの日から俺の父親がはいない。どこかの組織の一員になっていた。
ーーあの日から俺のパートナーは【隼】だった。そう何故か決めていたーー。
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