第12話 調査隊の報告

「短期間のトレーニングで死者なしに任務完了とはな」


「彼女達の意志が成功に導いたんだ。城戸、これで文句はないだろ?」


「運が良かった、それだけさ」


「相変わらず素直じゃないな」


「慎重って言え」


「……」


「静かに笑ってんじゃねぇよ気味悪い。そんでもよくガキを受け入れようと思ったな、俺だったら門前払いにしてたぞ」


「最初は俺も迷った、未成年の子に銃を握らせ、命を落とす覚悟を持たせるなんて、あまりにも残酷だ」


「そうだな」


「けど3人ともヒーロー気取りで志願したわけじゃない、理由と覚悟を持って集まった。俺の迷いを吹き飛ばすほどにな」


「女子供に日和ったわけか……けっ」


「だが、彼女達に人殺しは絶対させたくない。任務はAPR殲滅だけに集中させていく」


「フン」


「それでだ城戸、報告に来たんだろ?」


「あぁ、コアのことがある程度分かった。なんていうか、増々東セキュリティ会社は得体の知れない会社だな」


「どういうことだ?」


「永嶋、お前はAIに遺伝子を移すことが可能だって思うか?」


「いや自分の精神をAIにプログラムさせるのは、近い将来あり得ると聞いたことはあるけど、まさか」


「そのまさか、コアの中身は液状で赤い色だった、バイオ開発部に回して検査をさせた結果、人のDNAがハッキリと出てきやがった……この報告書はお前だけが見ろ、声に出すな」


「………………」





 第1部終了――。


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