神様の贈り物

夢幻の旅人

プロローグ

 斉藤はクリスマスイブを一人で過ごすことが決まり、ただ明日を静かに迎えるだけになった。

 ふと時計を見ると、長針が10を回ったところであった。何もすることがなく、ただ静かに暖炉の方を見ていた。

 眠くなってきて、毛布を体にかけて寝ようとしたとき、ポーンとインターホンが鳴った。久しぶりの訪問者だと思い、外を見てみると、大きな袋を持った宅配の人がいるようであった。

「宅配物が届いてます。」

 そう言うと、宅配物を置いて、その人は立ち去っていった。

取りに行くのがめんどくさく、その荷物を取りに行かずに寝ようとした。しかし、その行動を妨げるかのように突然鈴の音がなり始めた。まるでその音は、斎藤を急かしているかのようであった。その音が、段々と大きくなっていき、すっかりと目が覚めてしまった。斉藤はやることもなく荷物を取りに行こうと外を確かめてみた。すると、音は驚いたかのように突然消えた。

 不思議に思いながらも、荷物を取ってさっさと家の中に入っていった。

 箱を開けてみると、中には、赤と白を基調とした服が入っていた。ダンボールの中には、手紙も入っていた。 

 手紙には、[お元気でしょうか。こちらの服を着て、善哉山に向かってください。24日になるまでに来てください。あなたはこの運命からは逃れられない。お待ちしています。]と書いていた。斉藤はひげを伸ばさなければよかったと少し後悔し白ひげを少し触った。そして静かにふとため息をついた。

 明日は長くなりそうだ・・・。 

 そう思い、家を整理してZ山へ向かった。

 気を紛らわすかのように、鼻歌を歌いながら歩いていると、いつのまにか善哉山についていた。善哉山につくと、S氏は、ベンチに座り込み、帽子を被った。東京に出て、仕事をしている自分の子供のことを考えながら、、、そして、S氏は軽く微笑んだ。

 斉藤が善哉山についた時には、そりを持ったトナカイがいた。斉藤はそのトナカイが引いているそりにのった。すると、そりは勝手に動き始めた。

 斉藤がそりにのって5時間がたったころであろうか。何か大きな建物についていた。そして、斉藤はその看板を見た。そしてその看板には「クリスマスの館」と書いてあった。

 クリスマスの館には、たくさんのトナカイがいて、たくさんの赤と白の服を着ている人がいて、たくさんのプレゼントがおいてあった。

 斉藤は、クリスマスの館の正面の館に入った。すると、持っていた手紙が赤色の光をまとって宙に舞った。そして、白と赤の帽子へと変わり斉藤の頭にすっと被さった。その瞬間、頭の中にこの後の工程やプレゼントを渡す人のこれまでの記憶が入ってきた。


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