4話 光弾く湖で
①
「ようこそいらっしゃいました、ブルック
「ご招待ありがとう。ルドラン
約束の日、ルドラン子爵家から
昨日はどうなることかと思ったが、シライヤの体調が
待ちに待った日。ようやくこの日が来た。
「……今日は特に、
「ありがとうございます。……ブルック公爵令息がいらっしゃるので、美装を
「そうか……。俺の……
もう何度目だろうか。二人でこうやって赤くなるのは。
「どうぞ、こちらへ。両親を
いつまでも馬車の前で、もじもじとしている訳にもいかない。シライヤを、
ルドラン子爵家
「
父が言うと、二人は敬意を示した礼とカーテシーを見せた。
私も
「そんな、お顔を上げてください」
「ルドラン子爵令嬢を護るのは、当然のことです。大切な友人ですから」
誠実に言い切るシライヤに、両親の目元が
「茶の席を用意しているよ。ゆっくり話そうじゃないか」
「
さあさあと庭園の席へ案内されるシライヤは、こんな大
この場所に、シライヤを
四人で話を
「ブルック公爵令息、紹介しますね。私の愛馬、ノアとアリーです」
黒馬がノア、白馬がアリー。
二頭とも正しく接すれば、よく
「
「ありがとうございます。よろしければ、
「
喜んでくれるシライヤと共に席を立つ。
二頭とも、シライヤが近づくのを
「ノアは、ブルック公爵令息が好きみたいですね」
「光栄だな。やあ、ノア。よろしく」
シライヤの手がノアの鼻先を撫でて、
自然と
「鼻先も柔らかくて驚いたが、ここも柔らかいのか。硬い
「もしかして、馬に触れるのは初めてですか?」
「あぁ。ずっと触れてみたいと思っていた。嬉しいな」
喜ぶシライヤがノアに夢中になっていると、父も席を立ってこちらへ来る。
「ノアと仲良くなったのか。庭園の外周は、馬を走らせられるようにしてあるんだ。どうだね、今から私と乗馬をしないか?」
貴族の男性が交友を深める為の遊びと言えば、乗馬がかなりの上位へ来るのは
当然父もそう思いシライヤを
「お
困ったように
公爵令息として、この
だが、彼の場合はありえてしまう。
「そうか……。では、私が乗馬を教えよう。やってみるつもりは、あるかね?」
父も事情を察したのだろう。なぜかと
「いいのですか?」
「もちろんだとも」
期待に目を
「いい子ねぇ」
カップを静かに置きながら、母は呟いた。
シライヤのことを言われているのは解っているが、なぜか私が
「お母様。私は、彼がいいです。お許しくださいますか?」
「お父様も私も、シンシアの幸せを願っていますよ。
ゆっくりと
後は、私が頑張るだけだ。
その後、シライヤが父から乗馬を教わる様子を
「お母様っ! 私、乗馬服に
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