第100話 ルッカ領へ 3
アマゾネス隊は帝都アルソミアから第3都市ソルミ、アルモッチ都市、グルフィ都市を通りルッカ領ノエノ地区を帰還を目指していた。
5日目にソルミ都市に着いた。
ラルソ=アドア元執行官は慌ただしい生活を送っていた。
帝都から大量の移住民を受け入れたので、一時的な住まい、食糧。衣服など最低限の生活を支援していた。
帝都からの貴族・行政職らを本人の意向を聞きながら、ソルミ、アルモッチ、グルフィに3分の1づつ都市へ振り分けたという。
また10万以上の民もだいたい3分の1づつに分けたという。
ルッカ領ノエノ地区から兵站の食糧等の支援をラルソ=アドア元執行官に渡す。
あゆみから託されたソルミ元執行官に、改めてソルミ都市のアドア行政官に任命を指示されたことを話す。
アドア行政官がうれしさに涙を流した。
いずれ、あゆみがソルミ都市まで出向くことを伝える。
モエカ隊長は挨拶早々に、ソルミから移動をした。
アルモッチ都市も、大量の住民受け入れて、てんてこ舞いの状況。
できるだけ食糧支援などを話し、ノエノ地区から兵站の食糧等を渡した。
3人の内、いずれ、あゆみから指示があることを伝えた。
次の移動場所へ向かった。
グルフィもアルモッチと同様に混乱があったが、できるだけ早く食糧支援することを話すしかなかった。
ノエノ地区から向かってきた兵站の食糧等をグルフィの仮代表に渡した。
ユンド人自身達で復興を進めるしかない。
アマゾネス隊の戦士達も、いまだにユンド帝国を滅ぼした実感も沸かないでいた。
あっけないほどの帝都の脆さ。
ルッカ軍の圧倒的な武器の破壊力。
強力な軍団でもあゆみの軍団は負ける気がしない。
アマゾネス隊も遠征疲れが出ていたいので、速くルッカ領ノエノ地区へ帰還を果たしたかった。
ルッカ領ノエノ地区にも徐々に後方から避難していた元ノエノ耕民も戻って、作付けが進んでいた。
ルッカ軍の1大隊、2大隊、3大隊も同様に、陥落した都市を通りながら、
僅かしかの住民の痕跡を確認しながら、支援が必要な都市には、できる限りの現物支給した。
ルッカ領から改めて,支援をする方向を話すにとどめた。
帝都に向かう兵站物資から食糧等の支援をしながら、ルッカ領に近づきつつアル。
いまは、長い遠征からの帰還を急ぎたかった。
ヨシア第2大隊はゼルシア地区へ
ロルナ第3大隊もゼルシア地区へ
クルル第1大隊はホルダ地区へ
アマゾネス隊はノエノ地区へ
それぞれルッカ領へ帰還を急いだ。
ヨシア第2大隊とロルナ第3大隊はルッカ領ゼルシア地区へと、それぞれルッカ町を目指した。
クルル第1大隊はルッカ領ホルダ地区からミシア地区、ゾエド地区、ルッカ町を目指す。
アマゾネス隊はルッカ領ノエノ地区の旧領館に辿り着いた。
ノエノ地区のノエノ旧領主館に辿り着くと,安堵した。
戦士らに暫しの休息を伝え、それぞれ自室に入る。
モエカ隊長、ロエール副隊長は応接間に寛いだ。
「本当に、夢のようだな」
「はい、まさかユンド帝国を滅ぼすとは、ザエン様は凄いお方だ」
「本当です。帝都まで辿りつけたとは、まだ信じられません」
「ユンドの地盤が固まれば、次はチェンアルクなのか?」
「大勢の奴隷にされたソルラン人がいる以上、これからだな」
「チェンアルクって、どんな所なんでしょうか」
「ソルミのアドア行政官に話だと、大勢のソルラン人らが、大規模な農業とか農園で働かせられているという話を聞いたことがあると言っていた」
モエカ隊長は話す。
「ザエン様が討伐軍を率いて、チェンアルクへ進軍したら、隣国のミシェ国、マエロ国、ベロニア国がどういう動きをするかですか?」
「シュレカ国はルッカ軍に反旗を翻すことはないが、3カ国がどう出るかだな」
「ルシム行政官に、もっと周辺諸国の情報を知る必要がある。
ザエン様のお役に立てて、一刻も同胞を救出したいものだ」
「食糧等を運搬する戦士達にも、情報収集を任務の1つにしないとな」
「モエカ隊長、ゴゾ領主が、面会を求めに来ております」
モエカとロエール副隊長で、今後の打ち合わせをしていた。
「応接室に案内してくれ」
「なんでしょうか?」
「戦勝祝いにでも,出向いたのか?」
2人は応接室に向かった。
「ユンド国との勝利をお祝いしたく、参上しました」
ゴゾ子爵が述べた。
お互い軽い挨拶を交わした。
「わざわざ、お越しにならなくても・・・・。
偉大なザエン様の下で働いたまです」
「そのザエン殿に、お会いできないでしょうか?」
「なにゆえに?」
「できれば、ガルミ伯爵の領地のように、残してほしく・・・・」
「私はガルミ伯爵とはお会いしたことはありませんが、
たまたまザエン様がガルミ領主と会う機会があったまでです。
ザエン様がガルミ領をルッカ領に組み入れないには、それ相応があるのはないでしょうか」
モエカ隊長は述べる。
「ルッカ領では、領民の年貢は取っておりません。
このノエノ地区も年貢は取りません。
ザエン様に、会っても、結果は同じです。
モエカは述べた。
「ユンド軍がノエノ領を進軍したとき、多数のノエノ領民がゴゾ領やエラミ領、王都へ避難しました。
もしユンド軍がゴゾ領へ侵略されたら、どうおつもりでしたか?」
ロエール副隊長が尋ねる。
「応戦しようもなく、敗退しかありません」
子爵は述べた。
「ゴゾ領で生きていくほかないので、そのまま家名を残して,頂けないでしょうか?」
「領民の年貢で、貴族が生活をする。
その代わり、治安安全を保証するのですよね。
しかし、ユンド軍の進軍には、応戦すらできない。
失礼ですが、それが貴族なら、領民の安全を保証できない貴族は不用に思いますが」
モエカは、自分らを救出できなかった領主の存在を認めなくないのだ。
「いずれ、ルッカ領ノエノ地区が作物が豊作なり、領民が豊かになれ、ゴゾ領民からノエノ地区へ移住したい民も起こります。
時間の問題かと」
モエカ隊長は現状を話す。
「はぁ・・・・」
「現にクレミン領の領民がルッカ領へ移住が殺到して、領の3分1がルッカ領に組み入れられと聞きます」
「厳しいのですね」
「ルッカ領ホルダ地区も年貢はとりません。
避難した元ホルダ領民が戻って来ています。
これから豊かなホルダ地区になります」
ロエール副隊長が話す。
「はぁ・・・」
ゴゾ子爵は恥も外聞を捨てる決意をした。
2人の前に、膝を屈した。
「判りました。
領民の年貢はゼロに致します。
どうか、ルッカ領にゴゾ領を組み入れて下さい。
ザエン様に、お取り次ぎ願いませんでしょうか?」
子爵は膝を折ったまま、頭を下げた。
「確かに、子爵様の胸の内を、必ずザエン様にお伝えします」
ロエールはゴゾ子爵は賢いと考えた。
このままでも、自然にゴゾ領はルッカに組み入れられてしまう。
その前に、一歩前に進んだと。
ゴゾ子爵は、ユンド国へルッカ軍の活躍を聞きたいと、モエカ隊長はすべてはザエン様の指示通り、動いたまで、手柄などありませんと述べる。
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