第92話 ユンド帝都包囲 1

 ロルナ第2大隊はクレアムス陥落後、帝都に行軍。

 あゆみ・ヨシア第2大隊はアルドア攻略後、帝都に行軍。

 クルル第1大隊はマカドール攻略後、帝都に行軍。 

 アマゾネス隊はソルミ攻略後、帝都に行軍。

 チェンアルク国沿いからの別動隊も帝都に。

 ミシェ国沿いからの別動隊も帝都に。


 と周辺都市をルッカ軍に陥落され、丸裸の帝都アルソミアのみ。

 

 別動隊も所属部隊に合流し、4方向から帝都を包囲し始めた。



 最初に帝都周辺に着いたのは、ロルナ第2大隊だった。

 周辺のユンド人狩りをしながら、外の部隊の到着を待っていた。



 次に帝都周辺に到着のはあゆみ・ヨシア第2大隊だった。

 帝都に行軍中でも、ユンド人らを沢山殺していった。



 クルル第1大隊はユンド国第4の都市マカドールで、城門、城壁を破壊尽くしても、中々降伏をしてこなかった。

 都市住民含め、死を覚悟したらしい。

 そのため、悉く住宅も建物を破壊尽くしても、どれだけ死んでも、怪我しても降伏を言い出さなかった。

 ルッカ軍のユンド人の残虐な殺害されるより、このまま炸裂爆弾で命を落とした方を選んだらしい。


 反撃もないまま。


 クルル隊は都市へ突撃したが、すでにマカド-ルには抵抗できない重傷者ばかり、 

 軽傷者は僅かだった。

 悲劇を生み出した。

 ユンド人の自業自得でしかないが、

 都市を捜索中、怪我人のうめき声ばかりが聞こえた。

 ソルラン人の解放もなく、都市と共に、大怪我をしたソルラン人らを見つけた。

 クルル隊長はなんとも言えない、憤りを何処にぶつけたらと。

 ソルラン人と確認できた者達を、ルッカ領へ運んだ。

 そして、帝都周辺に到達をした。



 最後にアマゾネス隊が第3の都市ソルミを攻略した。

 グルフィを攻略後、一度ルッカ領ノエノに戻ったので、ソルミに行きつくまで時間を要した。

 アマゾネス隊がソルミ都市に着くと、すでに白旗を掲げた都市代表と思わしき人物らが待っていた。

 都市に囚われたソルラン人達も連れ出されていた。

 周辺都市が陥落したことを、聞き及んでいたらしい。

 皇帝の親族、武官らも帝都に退去したという。

 ユンド兵士も帝都へ逃亡したという。

 無条件降伏を言ってきた。

 都市の人口は15万人になった一般住民だけと言ってきた。


 無血開城し、それを信じて後方から狙われる危険性もあるので、降伏側の言い分を鵜呑みにはできない。


 モエカ隊長外5百人で、開城の都市ソルミに入った。

 ソルミ民の恐怖に満ち顔々。

 噂で聞かされた、残虐非道なルッカ軍の凶暴さ。

 誰もが身をすくんだ。


 執行官邸、皇族の屋敷と縁者に繋がる邸宅を捜索したが、逃亡の様子。

 軍部の施設もモノけのカラ。

 行政室には民間人ばかりのようだ。

 アマゾネス隊を見ると立ちすくむ。


 奴隷売買に加担した者達はいないが、

 性奴隷を管理したのは軍人達なので、軍部の範囲なので、実態は不明とか。

 一部の商人らも奴隷買いをしたのではと?。

 この都市には奴隷の売春婦はいないという。

 その場所に行ったが、ソルラン人ではないと皆が言う。


 執行官が性奴隷にしていたのではと?

「私が、執行官ですが、妻のみでいません」

 再度その者の邸宅を捜索したが、存在は確認できなかった。


「これから、お前達は、どう生きるのだ?」


「我らは、すでにルッカ軍の軍門にくだりました。

 ユンド人の存続を願うだけです」


「散々ソルラン人を奴隷狩りにしたユンド人が言うか」


「過ちは正せませんが、二度とそのような事は、絶対にしません」


「お前達も、家族を引き離したら、どんな気持ちが分かるか?」


「本当に、家族を無理矢理引き離し、奴隷にしてしまった罪、生きながらえたユンド人が背負い続けます」


「随分と、きれい事を言うな!」


「帝国の存続も望みませんし、普通のユンド人で暮らしたいのです。

 二度と戦争は悲劇を生んでしまいます」


「お前達が、勝手に戦争を始めたのではないのか」


「そうです。

 だから沢山のユンド人が死んでも、悔やんだりしません」


「ほぅ。随分と気後れしているな」


「降伏を信用して頂けないなら、私が人質になります。

 どうか、住民の命をお助け下さい」


「殺した方が、無難な気がする」


「必ず、お手伝いできます」


「どう手伝うのだ。


「これから、帝都を向かう予定なら、その道すがら、ユンド人の空しい抵抗は致しません」


「そうか?」


「私は、ルッカ軍を統括する指導者を拝見したいのです」


「ほぅ。面白いことをいうな」


「偽りの帝国を築いた者と、強大な軍事力を保有している指導者。

 噂レベルですが、基幹道路で2国との交流を図るとか。

 ハルローゼン国からルッカ領への街道整備という偉業する指導者を」

 ミシェ国の国境の山々に、ユンド国第1の産出量の金山があるという。

 ハルローゼン国側境側ソルレマの金山と対峙する量だと話も。


「噂レベルですが、ソルラン国内に金・銀・鉄硬貨という砂金に同等以上の価値があるのが、物々交換になっているという。その事実も知りたいのです。

その硬貨を、是非、ソルミの金山からも、その硬貨を出来ないか、そのことも指導者に、お話しある機会でお聞きしたいのです」

 モエカ隊長は硬貨が商人の間で物々交換に代わって、ルッカ町でもお店で、硬貨で買い物をしていることを話した。

 その男は、非常に感銘を得ていた。


 モエカ隊長外隊員も、柔軟になってきた。

 この男は優秀だなと感じた。


 帰路に、ザエン様が立ち寄るかもしれいないとその男に告げる。


 

 暫くの間、その執行官ラルツ=アドエにソルミ都市を任せるかとモエカ隊長は判断した。



 アマゾネス隊は帝都を目指すことにした。


 帝都へ向けて、アマゾネス隊は行軍したが、行軍する先にはユンド人姿は見なかった。


 ルッカ軍に、これ以上ユンド人を殺されるのを避けるため、執行官らが先回りしたらしい。



 

 ついに、4方向からのルッカ軍が、帝都周辺を囲んだ。


 あゆみのいる第2大隊にモエカ隊長らが、到着の挨拶をしにいった。


 あゆみは嬉しそうに、歓待した。


 あゆみ

 クルル第一隊長ら

 ヨシア第2隊長ら

 ロルナ第3隊長ら

 モエカ隊長ら


 久々に面々に会えて、あゆみは非常に上機嫌だ。


 陣幕に、帝都の周辺の地図が貼られている。


 ユンド国帝都アルソミア

 人口20万程、

 難民が15万人程と。

 皇帝宮殿は小高い丘の上に建っている。

 遠い過去、隣国ミシェ国とユンド国は1つの国だったそうだ。

 それが、継承問題でユンド国が自立したらしい。

 帝都が隣国に近いのも、その名残らしい。

 ミシェ国側も、遠い過去に分裂したユンド国を奪う気もないらしい。

 なんら干渉もしていない。

 ユンド人の入国を閉ざし、閉鎖状態が続く。

 ユンド国が滅亡してからも、当分解除しないだろう。



 ルッカ領から、長い兵站で、武器装備、食糧も運ばれた。

 持久戦というより、短期決戦を決めたいとあゆみは考える。

 そう単独で、好きなだけ殺傷三昧。

 柵に追い込まされた帝都を、どう料理するか。

 

 まず、行軍中に胴体の素材を都市へ投下させ、都市を範囲を、住民の後退を促す。

 アマゾネス隊を除いて、3方向から胴体の投石を実行する。


 腐乱する前に、放り投げたいので、射程範囲から3方向から胴体投石を実施した。

 効果は抜群で、落とされた胴体を見て、当たった住民らは恐怖に陥った。

 帝都民をできるだけ,殺害してユンド病の根絶も考えた。

 帝都にもユンド病の流布を大々的に、情報操作させていた。

 あゆみが考えた以上には,感染拡大をしていないようだ。

 帝都側からの弓攻撃も突撃隊のない。

 帝都はだんまりしているのか。

 城壁の上にも兵士が見当たらない。

 どうなっているのか?


 でも、最初の胴体投下の効果は帝都には好評だったようだ。

 第一攻撃の胴体投下が都市民に恐怖のどん底に落としたらしい。

 また、素材集めをしないと。


 

 第2波は城門・城壁を4方向から攻撃だ。

 そこであゆみはミシェ国方面の城門だけ破壊し、脱出民らを殺害することを考えた。

 帝都とミシェ国には精々10キロもない。

 またあちこちの城門、城壁を破壊すると、そこから蜘蛛の子を散らすのではとも考える。

 できるだけ逃亡さきを限定させたい。


 即座に城門、城壁の破壊を中止命令をだす。

 投石機からの都市攻撃に変更させた。


 帝都の囲いを破壊せず、逃げ場を狙う方法に変えた。

 帝都の城壁の中でしか、逃げ場のない大混乱を誘う。

 密集した都市に、殺列爆弾を4方向から、城壁内側の建物から破壊すれば、それだけ投石機が前進できる。

 城壁内側周辺からの住居破壊し、大きな輪が縮こまる。

 帝都民らが中心部へ逃げ場に向かうしかない状況が出来る。

 大型弓座から炸裂大型矢で、高い建築物が砕ける。


 1カ所を集中的に破壊するかとも考えたが、まだ人口が多いので、減らす。

 ミシェ国方面の反対側の城門、城壁を破壊することを考えたが、まだ先と考え直した。


 帝都民の絶望を味わらせたい。 


 帝都だけあって、城門は16カ所もある。

 壮大な帝都を伺える。

 都市防御機能を破壊すれば、それだけ、敗色濃厚を帯びる。




 帝都包囲、第1日目の炸裂爆弾は終了した。




 あゆみは、そう狩りの時間をまっているのだ。

 

 深夜、ミシェ国方面側の城門が少し開いた。

 沢山のユンド人らが、外へ殺到し出した。

 逃げられると思ったのか。

 どうもルッカ軍から攻撃がない。


 城門から出尽くしたのか、城門は閉じた。

 逃げた者達が城門から段々と遠ざかっていく。


 まだまだ。


 城門から相当距離をおいた場所で、

 あゆみ達は獲物を待つかのように、じっと待つ。



 先頭の者達にあゆみが役割をかって出た。

 あゆみが逃亡者に向けて、松明を放り投げ、攻撃合図になった。

 2方向から、殺列矢や通常の矢も射る。

 暗闇の中、炸裂した一瞬、明るくなり、周囲の標的が見える。

 次から次へと射る。


 あゆみは楽しい時間を満喫するかのように、殺戮していく。


 逃亡した一団が埋め声が渦巻く。

 暗闇なので、暫く放置。


 松明を持って、軽傷者を殺戮する。

 無抵抗な者。

 武器を所持してない者。

 兵士らが、

 長い絨毯のように、血の帯を繋いだ。


 夜が明けると、新兵らが息ある者を殺していく手筈。

 胴体の素材採集も新兵の役割。

 


 帝都包囲、1日目は終えた。 

 

 

 






 

 

 

 





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