第90話 ユンド国クレアムス攻略

 ルッカ軍ロルナ第3大隊は、廃墟になったエルミエより、帝国の支配地域を攻略した。

 ここを攻略すると、より帝都に接近する。

 

 地方都市クレアムスは人口3万程、避難民で10万程に膨れ上がった。


 ルッカ軍を眼下に見て、クレアムス都市は、そく白旗を掲げて、ルッカ軍の前にひざまずいて、待っていた。


 ロルナ隊長は、出鼻を挫かれれた思いがした。


「私たちは、降伏します。

 どうか命だけ、お助けを、お願いします」

 白旗を掲げた外5人も土下座でお願いをした。


「まず、ソルラン人、全ての解放だ。

 子供も含むから、必ず実行せよ。

 次に、兵士は全て、この都市から出て行けと。

 軍人を助けるつもりはない。

 軍人の奴隷売買に手をかした者も殺害対象だ。

 奴隷解放と共に、猶予を与えると伝えよ。


 それから、降伏条件を述べる」


 6人の内2人は都市に戻った。




 ロルナ隊長は遠巻きに、三方向の3城門を向けて、戦闘陣営を組ませた。


 帝都方向の門から、ユンド軍の一団が退却し始めた。

 どうも性奴隷を人質に利用するのかと疑問を持つ。


 ロルナ第3隊は兵士を二手にわけ、約3千人のユンド軍に攻撃準備をさせる。


「お前達!。ソルラン人を解放しろ!」


「解放した後、我らを殺すつもりだろう」


「殺されるだけのことはしてるだろう」


「我らは生き延びなければならない。だから絶対、解放しない!」


「そうか」


「人質を殺されても、よいのだな」


「仕方がないな」

 ロルナ隊長が腕を降ろすと、一斉に炸裂する矢が射られた。

 体の一部当たると、炸裂するので、音と共に当たった身体の一部が飛ぶ。


 余りにも恐怖の矢爆弾に、ユンド兵は戦意を失う。

 しかし、ルッカ軍は遠慮することなく、どんどん矢を射っていく。

 3千人近い兵士らが、地面に膝をつく。

 後は殺し捲った。

 泣け叫ぶ者、命乞いする者、降伏する者。

 容赦なくすべての命を奪った。


 ソルラン人20人が保護された。


 その者達から、まだ都市に百人ほどいると聞かされた。




 白旗を掲げた残りの4人に、

 まだ囚われたソルラン人が百人はいるではないかと糾弾した。


 ロルナ隊長は4人の者を斬った。



「お前達!、まだソルラン人を解放していない!。

 これから、城門、城壁を破壊、都市も攻撃する」

 ロルナ隊長は大声で言った。


 3方向から、城門、城壁の破壊攻撃。

 都市への炸裂爆弾投下が開始された。



「いまソルラン人を集めている!

 すこし待ってくれ!」

 城内から言う。


 ロルナ隊長は城門、城壁の破壊は続行させた。

 城門は壊れされた。

 城壁も段々壁があちこちに崩れ始めた。


 城外へソルラン人が出された。

 一時、攻撃を中止した。


 子供を含めて百30人ほどだ。


「まだ軍人を匿っているな!。

 奴隷売買に加担した者も同罪だ!」


 再び攻撃再開。



 軍人外25人が、縛られた状態で城外へ連れ出された。



「お願いだ!。

 都市の住民を殺さないでくれ!」



 25人に炸裂矢を射って殺した。


 再び,白旗を掲げた者達が城外に出てきた。

 負傷している者が多い。



「本当に、降伏する」

 ドン底に落ちた顔をしている。



「本当に、降伏したが、城内に入って、確認する。

 刃向かう者はその場で殺す。

 よいな」


 ロルナ隊長ほか3百人の先遣隊が、案内されて城内へ入った。


 クレアムス民の恐怖と憎悪の殺気がみなぎる道を進む。

 あちこちで建物崩壊で、ほとんどがれきになりかける都市。

 路上で怪我した者多数。


 ロルナ隊長らは執行官室に入った。

 都市の名簿などを押収したかった。

 案内人の沈黙が続く。


「ここの財政はどうなっている?」


「いまは避難民の増加で、食糧なで底をついています」


「周辺の作物はどうなのだ」


「耕作地は多くありますが。

 その・・・・・。怖がって、耕作をしてないのがほとんどです」


「じゃ。ここは、すでにルッカ軍が制圧したから、安心して耕作を拡大しろ。

 いまは、食糧の増産が重要だ。

 ユンド滅亡後のお前達の暮らしだ」


「はぁ」


「本当は、お前達を都市毎、皆殺しにする予定だった。

 少子抜けした」

 ロルナ隊長は嬉しそうに笑う。


 聞かされた案内人らは冷や汗をかいた。


「すでに決まっているが、武装は解除だ。

 既に軍人らはいないと思うが、

 もし、反逆の意志があったら、皆殺しだ。

 お前達は、ソルラン人を奴隷にさせ、他国に売り渡した罪人だ。

 そんなユンド人を生かす必要もない。

 命乞いをしても、奴隷で他国行かされたソルラン人に、どう詫びる?

 聞かせろ!。

 どうなんだ!」

 段々とロルナ隊長は高揚した。


「本当に、申し訳ないで、済まさせれません。

 詫びるしか、ありません。

 この通りです」

 案内人らは土下座をした。


「今度は、お前達を奴隷として、家族をバラバラにして、売り払うか。

 目には目だ」

 ロルナ隊長は嬉しそうに笑う。


「なにとぞ、お許しを」


「ソルラン人の痛み、嘆きはわかか?」


 ロルナ隊長はこいつら皆殺しにしたい衝動を抑えきれないでいた。

 ここで全員殺してしまうと、あとは見境なく、殺戮しそうな衝動になるのではと。



「お前達が生き残る道は、絶対服従だ。

 ソルラン人は決して、奴隷狩りをしたお前達、ユンド人を許さない。

 お前達は、どうソルラン人に償いをする。

 さあ、応えろ!」


「取り返せない。

 犯した過ちは、償い仕切れないです。

 いまは、ただ住民の命を繋いで、いくのが、精一杯です」

 案内人の一人が泣き崩れた。


「この都市の、行政担当者は誰になる?」


 5人の案内人は来たが、殺される殺気に、中々その者の名を上げない。



「この行政官は誰だ!」



「執行官がいないので、ここの5人で担当をするしかありません」

 全員の死を覚悟したらしい。


「そうか。お前達か」


「お前達を皆殺しにすれば、食糧問題を心配するはない。

 どうするかな」


「・・・・・・」

 5人は殺されると思い始めた。


「お前達らは、見過ごして、後ろから襲うかもしれない。

 そうやって、ソルラン人を奴隷にしたからな」


「私たちは、決して、大それたことはしません。

 本当です」


「どうして、そう言い切れる?」


「ソルラン国からユンド国遠方に進軍してきたのですから、戦う者はこの都市にはいません」



「それじゃ、この都市は完全降伏なんだな」


「はい、誓います」


「皇帝の親族はいるのか?」


「すでに、帝都に行って不在です。

 身分の高い者達も帝都に行ってしまいました」



 都市クレアムスは住民代表の下、

 完全降伏をした。


 


 ロルナ第3隊長は帝都へ行軍を開始した。

 









 

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