第13話 帰還そして思案

 ゼルシア領から帰還すると、

 あゆみは手下達に、全住民を集合させた。


「領主から、物納ではなく、土地の割譲となった」

 あゆみは広場の地面に、割譲した地域を描く。

 ユンド国との国境付近は、当分緩衝地域とする。

 街道周辺はこちら側が管理。

 街道を越えて、Ⅰ時間ぐらい先の小川までが割譲した場所。

 カムール国と川を挟んだ国境までと。


 住民達は歓喜をあげた。


 住民全員に軍事訓練の参加を伝えた。

 疑問を投げかける者もいる。

「自民達の身は自身で守る意識が必要だ」



 割譲事実を、その地域の領民に知らせるため、5人Ⅰ組完全武装の兵士が説明に向かわせ、

 明日、住民達に来るように命令させた。


 ここの所、あゆみはストレスが溜まりすぎている。

 手下を持つと、自分勝手ができない。

 沢山の命がかかるので、選択をしないといけない。


 鍛冶屋職人と手先の器用な者を呼び、

 形状の大きめな弓とその矢を、地面に描いた。

 糸を重ねて、丈夫な紐を利用する。

 二輪車の荷台を作成し、弓在を乗せて、馬で移動しやすくする。

 昔、古代映画に出てきたカットを思い出す。

 荷馬車や城壁を破壊する弓の大型とそのヤジリの矢の考案。

 

 素人でも使いやすく、弓の命中精度を上げる。

 飛距離を伸ばす。

 あゆみは条件を話した。

 あとは、実現でいるかが楽しみだ。

 

 ソルラン国の度肝を抜かす武器が欲しい。


 現在、農業住宅地域と森林の奥で、ルッカまで農耕地が広がり、増産は順調。

 木製農具から金属農具で、これほどの違いがでる。

 また、不思議な世界で、収穫も3ヶ月ぐらいで、麦も野菜も生産できる。

 前世で、日替わり定食を食べらながらテレビの映像を見た。

 果実も接ぎ木方法をうろ覚えで教え、順調に果実の収穫が増えそう。


 鉱山を発掘して鉄、銅、銀や金の鉱脈はないのか。

 日照りの心配と養殖を利用したため池を考案したい。

 畜産業も発展させたい。

 養鶏場も拡大したい。

 油の原料を探したい。

 あゆみの”したい”が増える。 


 織物産業の拡大し、販路の計画。

 磁器も商人に売れる製品が必要。

 鍛冶拡大で、商人に農機具を販売。

 紙製品の販路。



 精鋭部隊を作りたい。


 

 ソルラン国軍の進軍の可能性もある。

 その機会で、戦闘経験を積ませるか、

 死ラバをくぐる実戦ができる。



 あゆみと山賊らとは従属契約で、絶対服従させた。

 6人の女達には自由にさせた。

 ルッカに移住希望した者も自由意志にさせた。


 しかし、新しく住民になる元領民には、農家の跡継ぎは領主と従属契約があると考える。

 そうなると、跡継ぎ以外に裏切りがないと言えない。

 領主の命令で、跡継ぎ領民達が、攻撃させる可能性もある。

 ほとんど領主らは王都で暮らしているらしい。

 名代に、従属契約主をさせるだろうか。


 本当に面倒ごとばかりだ。

 しかし、人殺しが合法にできる機会到来かも。

 あゆみは、何だか楽しい妄想をする。

 




 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る