第3話 俺が魔法学校に!
この世界では、十歳になると魔法学校に入学することが義務付けられている。まあ、日本でいうところの義務教育といったところか。
兎にも角にも、俺たち双子は魔法学校初等部に入学することに決まったのだが。これから、クラス分けの実技審査がある。
FクラスからSクラスまであるらしく、Sクラスだと色々と免除になるらしいが。ジョセツは、張り切っているが俺は極力目立ちたくないから本気は出さないことにする。
ちなみに、ライリーは俺たちの五つ上で中等部のSクラスだそうだ。まあ、適当にこなせばいいだろうと思っていたのだが俺の機嫌を損ねる事態が起きてしまった。
それは、審査を受けるために列に並んでいたときに高そうな服を着た集団に声をかけられた。貴族とかか?
「おい、田舎もん。どうせ、お前たちじゃFクラスだろうよ」
「あ? なんだと」
「やめとけ、ジョセツ。俺たちには、関係ない」
「でも! 僕はともかく、ユーリウスの悪口は許せない! 親友だからな」
この暑い熱血漢、どうにかならないのだろうか。ついていけない。非常にめんどくさい。と思って無視していたのだがこの後のセリフがどうしても許せなかった。
「田舎もんだな。その服も、だらしない。ちゃんとした制服も買えないのかよ。子も子のなら親の実力も分かるな」
「おい、今。なんて言った」
「は? もう一回行ってやろうか! 対した」
俺はこいつが言い終わる前に、無詠唱魔法でボコボコにしてやった。ジョセツも、黒い笑みを浮かべていた。
「やめ……」
「その前に、謝れ! 何も、知らないくせに勝手なことを言うな!」
俺は渾身の力を使って目の前のやつを、ボコボコにしてやった。すると、騒ぎを聞きつけた先生と思わしき人が止めに入った。
「止めるな! こいつは、俺たちの親を馬鹿にしたんだ!」
今、俺たちが着ているのは、母さんが貧しいながらも一生懸命に縫ってくれたお手製なんだ。それを侮辱するなんて誰であっても許せる訳がない。
そうしたら、止めに来たと思った先生らしき人が俺の前に跪いた。俺が、訳がわからずに混乱していると今度は恍惚な表情を浮かべてこう言い出した。
「ハンマド様! また、お目にかかれて光栄です!」
「今の俺は、ユーリウス・デイビスだ。なんだ、お前か。変態野郎」
「もっと、言ってくださいませ!」
今、俺に縋ってきているこの変態は前世の俺の配下だったやつだ。名前、なんだっけ? 変態って言ってたから忘れた。
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