23話:運命の乾杯

とある高級ホテルの最上階のバーにブランドスーツを着た男が2人座っていた。


「マスター、ウイスキーをロックダブルで2つ。この店で一番良いものを。」


2人は軽く乾杯をし、談笑しているかのようだ。



「これからどうする?」


「そうだな、地元に帰って小さな雑貨屋でもやろうかな。意外と小物が好きなんだよ。」


「クリスタルの半分はお前のものだ。これがあれば店なんてやらずとも優雅に暮らせるぞ、エボ。」



素寒貧の2人は誰が見ても分かる成功者になったのだ。



「あぁ、それなら小さめのクリスタルを2~3コいただければ十分だよ、セン。」



「何言ってるんだ。そんなわけにいかないだろう。」


「アメンの野郎をやっつけるんだろ?俺は残りの全額をセンに投資するよ。」



アメンは小さなクリスタルを静かにテーブルに置いた。クリスタルが放つ微かな光がバーの証明に反射してきらめいた。


「俺はなんだかんだこの町が好きでな。それにお前のことも気に入っているよ。だから、センとエルムーシアの未来に賭けたってわけさ。」




「エボ。何かあればお前のためになんだってするよ」


「ああ、朗報を待ってるよ」




そしてそれから3か月後、俺はサラを呼び出した。

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