19話:夜の決断

「エボ、ここからどうすればいい?」


「このあたりには安価のブルールビーや少しばかりのゴールドがあるはずだ。クリスタルやピンクルビーは少し奥のエリアにあるだろう。その道中は、お待ちかねの地雷ゾーンだ。」


「どうするんだ?」


「そうだな」


そう言いながら、エボは砂を掘り始めた。すると1分もすると、ブルールビーがいくつかとリンゴくらいの大きさのゴールドが出てきた。


「これだけでも1年間は暮らせそうだな」


「エボ、これで終わりか?」


「そんなわけないだろ?こんな小金を受け取っての人生なんてまっぴらだね。」


「だが、クリスタルがあるエリアまではどうやって行くんだ?地雷ゾーンなんだろ?」


「幸運に身を委ねて、突っ込むのもありかもな。」


「おいおい、冗談だろ・・?」


「はは、それに夜が明けるまであと約2時間。少し先にうっすら明かりが灯っている塀が見えるだろう?そして塀を囲むようにさらに警備員とブラッドドッグがいる。そいつらに見つかったら、喉をかみちぎられるか、ハチの巣のどちらかだ。」


「なら、突っ込むしか無い・・のか・・?」


「そんなわけないだろう、セン。」


センとエボは何故かお互い数秒間見つめあった。2人とも頭から足まで泥だらけで、ところどころツタが巻き付いている。だが、お互い、目だけはギラギラと黒く輝き、絶望と栄光の両方にすがっているようにも見える。


「まずな・・・。」


エボが何かを言いかけようとした時、2つの赤い点を持つ影がエボに飛び掛かるのを見た。

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