9話:目覚め
ふくらはぎあたりの激痛で目が覚めた。
身体は動かない。
砂漠の灼熱と砂煙で周りもよく見えず、何が起こっているかも分からない。
バサッ、バサッ
「ん・・?」
足元を見ると、近くで鷹が何かをついばんでいる。
・・・よく見ると、それは俺の足だ。
ふくらはぎあたりのうまそうな場所だ。乾燥と砂嵐のせいか血はあまり出ていない。
なんとか身体を起こす。
バサッ、バサッ
鷹は1mくらい離れた場所に移動して、こちらの様子をうかがっている。上空を見るとカラスも数羽舞っている。俺の死を待っているのようだ。
運良くテントの前に転がっていたペットボトルの水を口に含ませると、ぎりぎり起き上がれそうだ。ヨロヨロとテントを開け、ルカの様子を見る。
「う、、、、うわあああ、あああ、ああ……」
ルカは死んでいた。
血だらけになっている。目の瞳孔は開きっぱなしで、空中を見ている。
俺も死を覚悟し、そのまま再び意識を失った。
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