8話:砂漠の一夜
ラクダ屋で水や食料も買いつつ、帰り道を聞く。
「おい!兄ちゃん、このクリスタルどうしたんだよ!まさか見つけたってのか?どこにあるんだよ?!」
「はは、どうだろうな。それにたぶんもう無いよ。」
俺は大嘘をつく。少し掘っただけでゴロゴロ出てきたんだから、掘削機を使えばもっと出る可能性が高い。今の俺たちの持ち分だけでも1億ルピーほどの価値はあるだろう。
「なんにせよ、良かったな!ラクダはこれを乗って行けよ!一番元気なやつだぜ。」
俺は早速ルカを荷車に乗せ、買った地図を片手に街に向かうことにした。
ロックフォールまで3日はかかるだろう。念のため、サラにも電話して、途中で合流することにした。すぐに向かってくれるとのことだ。
ルカはつらそうではあるが、大丈夫だと信じたい。
5時間ほどラクダを走らせると、日が落ちてきた。ルカの具合も気になるため、早めに休むことにした。サラは俺らより早いだろうから明日の午後には合流できるかもしれない。
その夜遅く、風の音のせいか目が覚めた。ルカの様子を見てみるが、よく寝ているようだ。良かった・・・
そしてトイレをしようとテントから外に出た時であった。
「ん?」
「おい…、まじかよ…」
・・・ラクダが死んでいる。舌をベロりと垂らし、空きっぱなしの目には精気がない。
そして次の瞬間、頭が急に熱くなり、俺は地面に倒れこんだ。
「お、い、なん・・・だ、これ・・・」
血が目に入ったようであまり開かない。なんとか周りを見渡すと3人の人影がうっすらを見える。手には何か棒のようなものを持っている。
「ル、、、ルカ・・・」
棒が目の前に振り下ろされるのを見たのを最後に、俺は意識を失った。
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