4話:タフな道のり
「おい!起きろ!!行くぞ!!」
・・・なんでこんなにこいつは元気なんだ。
俺とルカは2~3時間眠れたのがやっとだろうか。朝日が昇ろうとしているのかしていないのか分からないまだ暗闇の中、ラクダライダーは俺たちを叩き起こした。
「おい、朝飯は・・・」
食事をする気力ももはや無いが、そんな要求も無視され、暴走ラクダは再び走り出した。
「ルカ、大丈夫か?」
「うん・・・」
何事にも乗じないルカも、さすがにぐったりしている。俺たちも身体は弱くない方だと思うが、さすがに参ってきた。
「そういえば兄ちゃんたち、こんな話を知っているかい?」
「なんだよ・・・?」
少しばかりラクダの速度を緩めると、ライダーは話をし始めた。
「その昔、クリスタルが多く土の中から出た、という話は知っているだろ?」
「あぁ、ヤポンの教科書にさえ載っているほど有名だよ」
「ところがその見つけたやつがどうなったか知っているかい?」
「いや・・・」
「そうなんだよ、それは地元民である俺らも誰も知らない。クリスタルラッシュがあったというのは事実で、少しばかし儲かったやつがチラホラとはいたが、最初に大量に見つけたやつがどこにもいないんだよ。」
「クリスタルは美しい分、嫉妬深く、見つけたやつの方が幸せになることを許さない。そんなわけさ。」
「ふーん」
「さぁ、頑張っていきますか!ヘイ!」
信じられないことにそこから8時間ノンストップで走り続けた。もはや自分でも寝ているのか意識を失っているのか分からないほどだ。しかも意識を失ったところで、ラクダの荷車は石を踏む度に跳ね上がり、俺たちは天井に頭を打っては、叩き起こされる。
「よし、今日はここで早めに休憩だ。このペースなら明日の午前中には着くぞ。良かったな!ハハハ!!」
もはや逆らう気にもなれない。疲れと怒りと不安と後悔がミキサーでけたたましく混ぜられていたが、無理やりに水と飯を胃に詰め込むと、いつの間にか意識を失っていた。昨日のデジャブだ。
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