第7話:電動コケシ団の手下ども。
古都華は、ふたりの男に、いつものように接客した。
名乗らなくても電動コケシ団の手下だってすぐ分かった。
どうみてもメイドカフェに来るようなヤカラじゃなかったからな。
古都華のファンでもないし・・・。
親父の居所を探りに来たんだろう。
すると片方の男が言った。
「ネエちゃん・・・店長いる?」
「いませんけど・・・店長ここには来ませんよ」
「うそじゃないだろうな・・・隠してもすぐバレるんだぞ」
「いないって言ってるでしょ」
「おい、そこのカウンターのヤツ、お前は?」
「おまえ、この店の店長の息子だよな・・・」
「調べはついてんだ」
「おまえの親父はどこだ?」
「手荒な真似はしたくねえからな、素直に親父の居場所を教えろ」
「知らないね・・・知ってたって教えないよ、おまえらには」
「小僧、そんなこと言っていいのか?」
「このお嬢ちゃんがどうなってもいいんだな?」
「可愛い顔して・・・モデルみたいじゃないか・・・」
「ネエちゃん、おまえなら、いっぱい稼いでくれそうだな」
「こんなチンケなメイドカフェなんかに置いとくのはもったいないぜ」
「おい姉ちゃん・・・」
「なんだよボケ・・・」
「ん?」
「口の悪い女だな」
たぶん、この時古都華の中にいたゼルは危険を察知して目覚めたんだろう。
「帰れ!!」
「なんだと・・・女だと思って手を出さないでいてやったんだぞ」
「やかましい・・・おまえらこそ痛い目見るぞ」
俺はカウンンターの中で笑いが止まらなかった。
先が見えていたからだ。
案の定、すごんでた男どもは見る間に古都華にこてんぱんにやられて
ダウンして床に転がった。
店の中が賑やかにやってる音を聞いて裏から親父が出てきた。
見ると大の男二人が、重なってダウンしていた。
「こいつら古都華が倒したのか?」
「なんで、こんなことになってるんだ・・・」
「親父は知らないだろうけど、ある時を境に古都華がそういうふうに
なっちまったんだよ・・・この一件が片付いたら話してやるよ」
「信じられないと思うけどな・・・」
「店長、壊れた椅子とかコップとか、あとで直しとくから・・・給料から
引くなよ」
「ああ、こいつら倒してくれたからボーナス出さないとな」
「ちょうどいい、奴らもバカだな、飛んで火にいる夏の虫ってな〜このことだよ」
「教授のありかを俺たちに教えに来たようなもんだ」
親父はダウンしてる男の一人を叩き起こして言った。
「おい、教授はどこだ・・・吐け・・・」
すると古都華が言った。
「おっちゃん、素直に吐かないとケツの穴から頭が出ることになるぞ」
それで男は簡単に白状した。
親父は古都華を見て目を丸くしていた。
「マッケンジー、こいつら警察に引き渡しといてくれ」
「俺は教授を助けに行ってくる」
「おやじひとりで大丈夫か?」
「俺がやられたら古都華とふたりでこの店、守って行ってくれよ」
「じゃ〜な」
そう言っておやじが店を出て行った。
とぅ〜び〜こんて乳。
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