エサエサ

 エサがうまそうな惑星に降り立った僕。

 緑がいっぱいだ! 遺跡とか人間が呼んでた建物もある。家として使えそう

「とりあえずエサエサ~」

(ん?)

 僕は動きを停止した。木の上に登ったのだが、向こうの木の上に匂いが

(僕たち猫が本能的にひれ伏してしまう、そんな奴が持っている匂い!)

「ん……? あんたルシファーに異世界転生とかいわれてそのオーラもらったでしょ。

 運なかったわね。その波長のオーラに冷たいのよ。この星の皆」

 と支配者の匂いを漂わせるホワイトライガーが人間に化けたような女がやる気なさそうな口調で言ってくる。

「どうする? わたしに殺されるか? 他のものに殺されるか?

 悪魔のパワーで下駄履かせてもらった生物はこの星じゃあ生きてけないよ」

(絶対逃げられない)

 本能がそう告げている。

 普通の人なら煙に巻く自信があった。だが支配者のオーラを纏うホワイトライガーの人間だ。運動能力だって他のなんだってこちらより強い。

(交渉!)

 頭の中に閃いたそのフレーズ。

 これしかない。

「あの、何とか命だけは……」

「…………」

 ホワイトライガー女は驚いている。だが逃げられるほどの隙は見えない。

「あんた喋られるんだ? へぇ~。

 じゃあさ。ミハエルの所いって遺伝子修復のサポート装置借りてくるから、それまでここ周辺でうろうろして逃げないでいたら命は取らないよ」

「遺伝子……? それ使うとど~なるにゃるう」

「遺伝子も元に戻るからルシファーへのリンクもなくなって普通の猫」

(まあいいか)

 僕はそう思った。殺されるよりまし。

(支配者のオーラを纏うホワイトライガーの人間に殺されるよりはここで折れた方がいい。

 さっきの女神なんかよりホワイトライガーの方が圧倒的に力上だしなーこりゃ)

 そう思って了承した。

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