第49話 父の見た風景
私の名は【
幼稚園から大学までの一貫教育で有名なマンモス校、
執っていた……と過去形にした理由は、既に世が教育をする
一般的には、私は成功者であったのだろう。甚く無難な学説ながらも学会ではそれなりの評価を得て、やがて神話学における権威と
私生活では天涯孤独な身の上であったが、別段淋しいと感じたこともない。むしろ研究に没頭できたことは
しかし、そんな私の日常は唐突に破られる。天上より神々が降臨し、地上の支配を目論んだからであった。
まさに国譲りの再現であり、僅かひと月ほどで九州から本州までの全てが
私は必死で逃げ延びた。
その過程で一つの事実を知った。日本国民には
しかし、それは完全に遅きに失していた。その能力が明るみになった頃には、私たちは青森県は
長き旅路の終着点。白く深き霧に閉ざされた海。その風景はまるで世界の果てのようで、どこか神々しく、そして美しかった。
ここに至るまで多くの人々と出会った。支配に抗おうとする者、嬉々として受け入れる者、スキルを過信して自滅する者、潔く諦めて教化される者、自由を求めて自ら命を絶つ者、そして私のように逃げ続ける者だ。
それもようやく終わりを迎える時が来た。私は終末の光景を目の前にして、最後に自らのスキルを行使した。
【
また、
そして、ヴィニャーナとはサンスクリット語で『
夢とは何か、
しかし、一つだけ確かなことがあった。私の意識は時の流れを遡り、そして過去の自分にある
「
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