第41話 三妹同盟締結
『
『『『な、なんだってーー!?』』』
俺たちはその念話に声を揃えて驚く。いや、その前にだな……
『
間違いなく、それは久方ぶりに聞く恵理香の声であった。おそらく命に別状はないことは
『えぇ、心配かけてごめんなさい。ちょっとばかし昏睡状態に陥っていたみたいで、先ほど目が覚めたばかりなのよ』
その返答に絶句してしまう。
『でも、もう大丈夫よ。まだ詳しい場所は言えないけれど、都内の秘密の隠れ家に匿われているから』
『そうか、とにかく無事みたいで安心したぞ』
中日本は既に天津神の支配下にある。容易には助けることも助けられることもないだろうが、ひとまずは互いの無事を確認できただけでも朗報であった。
『それで恵理香よ、先ほどの発言の真意を問おうか。まさか兄様のスキルにそのような力が隠されていたとでもいうのか』
『そうよ女狐、兄さんならそれくらい出来て当たり前じゃない。まあ、赤の他人のアンタには兄さんのことなんて何も分からないでしょうけど』
実妹と
『まぁまぁ恵理香、沙那には色々と助けられてるんだから程ほどにしとけよ』
『えっ、さな……? ちょっと女狐、アンタ兄さんに何したのよ!?』
『フハハ、それは若い男女が一つ屋根の下に二人きり……何も起こらないはずがなかろうて』
『大丈夫、お兄ちゃんの貞操は私が守るから』
なんだろう、このカオスな会話は。恵理香が加わったことで急に騒がしくなった。女三人よれば
『話を戻すわね。先ほど私の【
恵理香のお墨付きとあらば間違いないだろう。俺が試しにParty Listを開いてみると、以前見たときとは少し表示が異なっていた。
【Party List】
ニギ ハヤ
(2/7)
ハヤちゃんと沙那の名前がある。そして、沙那の横にはスキル名があるが、これが共有の証なのかも知れない。その下の数字は日付じゃなくて……7人中2人という意味かな。
俺を加えて8人がパーティの上限らしい。つまり、あと5人、5種のスキルの取得が可能ということを意味している。
それだけスキルがあれば、もう少しマシなことが出来るようになると思う。東京の恵理香のように皆でどこかに秘密基地でも作って、
少し先行きに希望が持てた気がした。しかし、頭脳明晰な恵理香の考えていたことは俺の思考の遥か先を行っていたようである。
『ねぇ女狐、
『ふむ、確かにそんな輩もおったな。体力が脆弱なのに
恵理香の問いに、沙那もまた真意を得たように反応を示す。おいおい、俺たちを置いてかないでくれよ……って、ハヤちゃんも何やら神妙に頷いているし。
『いいこと、兄さん。これはとんでもないことになるわよ。スキルはね、個人が単独で使用するだけでは限界があるの。先の横浜頂上決戦において
『さよう、私の
『そして、敵を倒すことで
三人揃って俺に講釈する妹たち。うーん、君たち頭良すぎない? それとも俺の回転が鈍いだけなのかな。それに何だか息もぴったりのようで、俺を無視してどんどん話を進めてしまう。
『女狐、ハヤちゃん、ここは一時休戦としない?』
『ああ、希望が見えてきたのだ。他ならぬ兄様のために私たちがやらねばなるまい』
『うん、これもお兄ちゃんのためだもんねっ!』
あのー、もしもし? あなたのためとか、一番あてにならない言葉なんだけど。しかし、どうやら三人の間には異常なまでの熱気が迸っており、俺の声など届きそうになかった。
『一人は、お兄ちゃんのために……』
『皆は、兄様のために……』
『私たちで兄さんを神にも負けない最強のスキル使いにするわよー!』
『『『おぉーー!!!』』』
これが人類史の
後の世に長きに渡り語り継がれる一大反抗作戦『
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