幕間 八岐大蛇(承)
「熱源反応を感知……目標、捕捉しました! どうぞご武運をっ!」
陸上自衛隊の
連日に渡る空からの捜索により、ついに
しかし、東部方面隊の第1空挺団ならいざ知らず、
もっとも、仮に当の第1空挺団であったとしても、どのみち落下の際中を狙われて怪物の餌食となっていたことだろう。
それにもかかわらず、彼らは空中を舞い降り……そして、怪物の攻撃を躱すかのように再び浮かび上がった。
「よし、作戦どおり前衛は俺と仲田がやる! バックアップに
「「「「「「「了解!」」」」」」」
隊長である
【
「あのぉー、嶋戸さん? さっきからブツブツ煩いんですけど」
「はぁ、君のその騒音の方が僕にはよっぽど気に障るけどね」
嶋戸の心無い言葉に【
彼女のスキル【
ちなみに
性格は正反対の二人であるが、能力は共に後方支援特化であり、また民間出身でもあることからコンビを組まされていた。直接戦闘には不向きであるが、彼らの健在が作戦の成否を左右すると言っても過言ではない。
しかし、いかに空中を縦横無尽に飛び回ろうとも敵の手数は膨大だ。8つの首がたちまち飛翔する隊員たちのもとへと向かい、その身体を食い千切ろうとした瞬間……武見隊長が身を挺して割って入った。
「お前の相手はこの俺だ。あいつらには指……いや、牙一本触れさせんぞ」
よく見ると、武見と牙の間に僅かな隙間が出来ていた。それは陽の光を反射してキラキラと輝くと、やがて巨大な透明の盾であることが分かった。
武見の役割は部隊の指揮、そして隊員を物理的に守る
なお
そして、武見とコンビを組む副隊長の仲田も動く。何やら戦闘アニメにありがちな唸るように気合を入れると、隊服が破れてムキムキの上半身が露わとなった。
「仲田ぁっ、お前はまた官給品を無駄にしたな! 今月の給料から引いておくぞ」
「あ、あちゃー、勘弁してくださいよ」
沈む気持ちに反して、仲田の身体がさらに一回り大きくなる。まるでヘビー級のボクサー、いや既にもうゴリラと化している。
仲田のスキル【
中国地方は島根県の山中にて、人外と怪物の一進一退の攻防が繰り広げられていた。
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