引きこもりの成り上がり

とう

第1話 出会い

「おはよう」「おやすみ」「こんにちは」「さようなら」世界には色々な挨拶がある。

僕はそれらは全くの無意味なものでただただ面倒なだけなものだと思っている。

なぜなら返事したから何か利益のようなものが得られるか?当然得られない。

小学生の頃何度も明るくそして元気よく挨拶をした。

しかし「…。」と無視をするものが大半である。

だから僕はあの時から挨拶というものをしないようにしている。

話が変わるが僕の部屋は二階にある。なので一階にリビングがあり、そこに親や兄弟がいるのである。

先程お伝えした通り僕は挨拶という行為をやめたのである。

ある日そう決めた小六の頃俺は挨拶をせずに1階に降りたところ

「親に対して無視とはどういう態度だ」と言われたから俺はもちろんこう答えた。

「なんかそれ意味ある?」このように言うと口論が始まったするとそれは長く続き学校の投登校時間をすぎてしまった。

その日から俺は自分の部屋からこもってしまった。

もちろん育児放棄などで子供を殺してしまっては逮捕されてしまうので親は餓死しないよう、飯は僕の部屋の前に置いてくれる。

しょうもないことだと思われると思うがあのころの僕にとってはとても不愉快な事だった。今では少し、ほんの少しだけ後悔している。

それから、部屋にこもってからはゲーム三昧、漫画三昧、おかげで髪は、伸びまくっていて、しかもぐちゃぐちゃである。

服はサイズギリギリでゲーム三昧していたのでまぶたも重い。

顔は鏡をあまり見なくなったから分からない。

今は自分はどんな顔をしているのだろうか?

「ピンポーン♬︎」

そのまま出る様子がなかった。

恐らく母と父と妹は外出中なのだろう。

「はぁ、出てやるか」

数年ぶりに1階へと向かった。

だが恐怖もあった。

また怒られるんじゃないかとか1階に居ない家族に恐怖を抱いていた。

今となってはどうでもいいことだがそんなことを考えてしまう。実際の所母や父は、俺のことどう思っているのだろうか。

そんなことより、早く出なきゃ。

「はい」

やべ、めっちゃガラガラじゃん。

「あ、あの最近引っ越した伊藤と言います。」

同い年か?

「あ、えー、よろしくお願いします」頭を90度に下げる。インターホンの前でよほど緊張していたのだろう。

「挨拶したいのですがいいですか?」

「あ、はい行きます。」

僕はせめて髪はと思い、髪に水を濡らして拭いて外へ出た。

「はい」

数年ぶりの玄関は、ところどころ変わっていたがいつもというような雰囲気が流れていた。

そしてドアノブを開けた。

久しぶりの太陽は、眩しく明るく照らした。

太陽に当たると少し明るい気持ちになった。

そして目の前を見た。

するとそこには、髪はボブ?で鮮やかなピンク髪が太陽で輝いていた。

そして顔は、とにかく可愛い天然キャラという感じだろうか?

そんなことを考えていて俺はぼーっと彼女を見つめてしまっていた。心臓は押しつぶされるようにギューッとなってキューピットの矢が当たったかのよう。これが一目惚れと言うやつだろうか…。

そして…

「あのボーッとして大丈夫ですか?」

「あ、あ、はい!!」

こうして俺の人生の再スタートが始まった。

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