第3話
「君、本当に何者なの?池袋ダンジョンって一応Sランクじゃないとまともに進めないよ?」
「え、そうなんですか?」
普通に知らなかった。
そもそも、ダンジョンに推奨ランクがある事自体が知らなかった。
俺がダンジョンに初めて潜ったのも、事故だしな。
「冒険者カード持ってる?」
「はい、一応」
「ちょっと見せてもらってもいいかな」
「いいですよ。」
別になんの面白みもないはずだ。
-----------------------------
三藤力也
ランク:X
ダンジョン攻略回数:5009
所属パーティー:なし
-----------------------------
「...」
「どうかしましたか?」
「君さ。」
「なんでそんな人気ないの?」
「ただ面白みがないだけじゃないんですか?」
「君、Xランクの凄さ分かってて言ってる?」
「え、Xランクって誰でもなれるんじゃないんですか?」
「Xランク、世界で一人しかいないよ」
>神回来ちゃああ
>もっと拡散しろ
>実はそんなすごい人だとは誰も気づかんやろ
>登録者15人の時から応援してた俺からしたらやっと世間に気づかれたかって感じ
「世界一位ってことですか」
「だな」
「まじかよ...」
>同接1万人おめ
>本人でもその凄さに気づいていなかったってw何者なんw
状況を整理しよう。
俺は、どうやら世界一位らしい。
未だに自分でも理解ができていない。
Xランクというのは誰でもなってると思ったが、誰もいないらしい。
ランクっていうのは、貢献度や成績によって自動的に変わるから気づかない内に上がってるんだよな。
確か、一年前はAだった気がする。
そんなことは今の俺にはどうでも良かった。
「同接1万人ってまじすか?!?!」
>そこかい
>せめてXランクのことについて触れようか
>まあ、おめ
しかも、登録者も50万人を超えている。
さっきまでは1000人だったのに!
「くぁwせdrftgyふじこlp」
俺は何をすればいいのかわからなくなって、配信を切った。
そして、とりあえずスネークニキのすれいやさんにお礼を言って、家に帰った。
SNSを覗いてみると、見事にトレンド入りしていた。
しかも、家に帰っている間に50万人も増えて、登録者が100万人になっていた。
正直、嬉しさより驚きのほうが大きかった。
偶然、俺が世界一位ってことが分かってバズった。
だけど、元々の視聴者のためにもいつも通り配信したほうがいいよね。
あと、さっき知ったけど世界一位は長らくずっと正体不明だったらしい。
それが俺って、すごくね?
----
次回から面白くなります
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます