第2話

「よぉ三藤、お前同接12にんいったんだって?ざっこw」

やっぱり声を掛けてきた。

彼の名は修途。ダンジョン配信で人気だ。

彼は80万人のフォロワーがいる。

俺とは大違いだ。

「別に、俺は俺なりに頑張ってるから」

「お前みたいななんもとりえのないやつなんかいつまでたっても伸びねーよw」

それは知っている。

彼が人気になったのも、彼が「ギフテッド能力」を持っているからだ。

この世界では、何か人より飛びぬけてる人でないと人気は出ない。

だけど、俺は目標である人のようになりたい。

馬鹿にされても、続ければきっと成果が出るって信じているから。


そして、クラス中からも馬鹿にされた中、必死に耐えて放課後が来た。

俺は、すぐに家に帰って支度をし、ダンジョンへと向かった。

そして、配信開始ボタンを押した。


「どうもー、今日も配信していきます」

>お疲れ様

>今日も嘘松配信待ってます


配信したばかりなのに、同接が30を超えている。

「お、同接30人ありがとうございます」

>たかが30

>されど30

>八割アンチやぞ


「アンチでも何でもいいです。すべてが私が有名になるための糧になるので」

>かっこいいこというやん

>そんなこと言いつつ今からフェイク配信ですよね


「失敬な。ちゃんと池袋ダンジョンにいますよ。何なら、今来てもいいですよ」

>近くに住んでるからちょっくら行ってくるわ

>↑スネークニキあざす


「いいですよ。私はここで待ちます」


数分後。


「あなたがりきやチャンネルですか?」

「そうです」

「本当に行ってることは分かったんですけど、ちょっと嘘っぽいですね。実は私も冒険者で、池袋でも上層はいけるので一緒に行きませんか?」

「わかりました。なんなら、攻略までキャリーしますよ」

「本当ですか(笑)じゃあ、ありがたくついていきます」

>こいつ行ったぞw

>さあ、りきやくんは本当なのかな?

>てかよく見たら、スネークニキってダンジョン配信者の「すれいや」じゃん

>ほんとだw

>これはやらせなしだな


「じゃ、ササっと行きますよ」

そうして俺は、周りの敵をいつも通り倒し、どんどん進んでいった。


「やばい、こいつマジもんだ、、、」

>まじで?

>これは神回か?


>こいつ、実力的に上位じゃね?なんで配信なんかしてるの?


>確かに。このレベルだと冒険者で食っていけるぞ

>まて、こいつ多分高校生や。まだ法律上働いちゃダメや

>そうだった。冒険者はバイトみたいな扱いにならなかったわ


「りきやさん、ごめん。君の実力、本当だわ」

「わかってくれれば幸いです」

「あとさ。いま同接500人超えてるよ」

「え?!」

「実は俺、ダンジョン配信でフォロワーが40万人いるんだ。多分うちの視聴者がかぎつけてきた」

「本当ですか?!」

「君、本当に何者なの?池袋ダンジョンって一応Sランクじゃないとまともに進めないよ?」


「え、そうなんですか?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る