第5話 心の成長
飲食店に到着した。
僕と逞はどこかぎこちない感じがした。
高校生以来で長い間、会っていなかったため
どう接したら良いのかがわからなかった。
飲食店に流れている明るい曲とは真逆に
重い空気が漂っている中
“最近どう?”と真っ先にカヲルが
声を掛けてきた、その瞬間、緊張がほぐれ
3人のそれぞれの距離がぎゅっと縮まった。
僕はよりカヲルへの気持ちが強くなった。
そしてカヲルからの問いに逞は答えた。
“仕事は順風満帆で健康な生活を送りたいから
まず、食事のバランスを大事にしようと
思って、そこで食材の栄養を学習すべく
栄養管理士の資格を受けたんだよね”
それを聞いたカヲルは、私は健康なんて
まだ若いから気にしなくなって良いものだと
思ってたからとても感心する!と答える
僕は心の中で一本、何か取られた気がした。
僕も負けれないと思い、話を切り出そうと
した時、カヲルが友人のことを話し出した。
“私さ、大学の友人がギャンブルに
ハマっちゃったみたいで休日は開店前に
並んでやってて、当たった時はすごい
ご機嫌なんだけど、負けた時にすごく機嫌
悪くてさ、気分晴らしに買い物に誘うと
怒鳴られてしまって、困ってるんだ”
それを聞いた僕はどこか自分にも当てはまる
ところがありそうでぞっとした。
そしてカヲルは話を続けた。
ギャンブルをストレスの発散するためだとか
遊びでやるのはいいけど、お金を稼ぐと
いった安易なことを考えてると身を滅ぼす
危険性があって最悪の場合、周りから
友達がいなくなるよ”と
僕はこの話を聞き終えたときには
背筋が凍って頭の中が真っ白になった。
何故なら逞よりも優れているとアピールできなかったことと、なりより僕もギャンブルにどっぷり足を浸かっているからだ。
僕は頭の中が空っぽになってしまったからか
まともな話を切り出すことができず、
食事が終わってしまった。
ああ、僕の青春はもう終わってしまったのか
そう思っていたが、逞を見ているとまだ
僕にもやることがあると感じさせられる。
まだ芽が出ていないだけだから
何か足りない物、事を探し続けて
僕のところにも春が訪れ、花が咲くように
頑張りたいと強く思った。
ギャーンブルー ひゃく蜂 @Shiyo4456777
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