第4球目 初日

入部初日、卓球場に10人の1年生が集められた。


思ってた以上に入部希望者が多くて琢磨と哲人の2人は驚いていた。

「多いな‥」


そこへ顧問の村田先生が来た。

怖そうだ。


「顧問の村田だ。よろしく。早速だけど今年から卓球部は入部試験をすることになった。これをクリアできないやつは卓球部への入部はできない」


「入部試験!?」

ここにいるメンバーのほとんどが驚いていた。


「内容はシンプル。1週間後にラリーを100回続けられるようになること。ラリーのパートナーはこちらがランダムで決めた。試験当日はチャンスは3回。3回失敗したらパートナー共々入部はできない。以上!」


「2人とも入部できないは流石に厳しいのでは」

琢磨は内心思っていた


全員に紙を渡してそこに名前が載っている。


「二宮って誰だ?」

琢磨が自分のパートナーを探す。


「俺だ」

隣にいたのが二宮だった。


「お前卓球やったことあんの?」

無愛想に琢磨へ質問をする。


「やったことあるけど遊び程度かな」


「初心者かよ。足引っ張るなよ」


「分かってるよ!二宮は経験者なのか?」


「いや、俺も初心者だけど」


「いや同じ初心者かい!」



いよいよ練習が始まった。


「おいおい、これが卓球部の練習かよ」

それぞれ必死に筋トレのメニューをこなしていた。卓球部のイメージとはかけ離れているトレーニングだ。


「最初っから球は打てないのは分かってたけど打つ前にヘトヘトだ」

弱音を吐いていたのは哲人のパートナーとなった弘中だ。


「まずはトレーニングに慣れるしかないね」

哲人もついていくのがやっとだ。


結局この日は誰もラケットを握れなかった。


「このメニューをこなしたペアから実際に打つ練習ができるから明日からまたがんばろ!」

副顧問の山下先生が励ましてくれる。


帰宅後。


身体中がバキバキで動くのもやっとだ。


それも見た父が

「練習は最初っからキツそうだな!中学での野球練習は更にレベルが上がるから頑張れよ!家で自主練するなら手伝うから」


「お、おう。今日はもう寝るからまた今度ね」

まだ卓球部に入ったことは言えないでいた。

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