終わり
第10話
絵の具で塗ったような、そんな青空は私の届けたい想いすらも飲み込んでしまったのだろうか。
「待って!」という声もきっと今は届かない。
昔は、辿っていけばどこまでも行けそうな気がしたひこうき雲も、今は私を置いてどこかへ飛んでいくだけになった。
被っていた麦わら帽子を脱いで遠くの空を見上げる。
そこに大きく存在していた入道雲と、目が合ったような気がした。
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