第9話

「あぁナノ様…うふふ、本当に可愛らしいです。」

「むふぁ…」

「本当羨ましいわ…それじゃあナノ様、また明日ご自宅に訪問させてもらいますわ!」

「ん」


家着き、エルファは一緒に来ていた人たちのテントへ帰り私は家の中に入った。


「あらナノおかえり」

「ん」

「ナノ、今日はどれくらい倒した?」

「いなかった。」

「は?居なかったって?…いや、今日の状態でそれはありえんな?少しアイツらと調べるか?」

「あなた、今日はもう遅いわ。明日にしましょう?」

「あぁそうだな。すまん」


ナノは自分がスライムを倒しすぎたからだと思っていたが、ガハルはそれはおかしいと思い何か問題が起きているのではないかと問題視していた。


「部屋行く」

「ご飯になったら言うわね」

「ん」

「ナノ様のお部屋!?あれ?その部屋から何やら食欲をそそるような匂いがするのですが何故でしょうか?」


さて、そんなことを言う水の精霊を部屋に入れベットに横になるナノの考えていることを覗いて見ましょう。


「多分、これ(精霊だから母さん達に見えてない?みたいだけど少し落ちついてほしいな!?んで、食欲?あぁもしかしてこれじゃないか?バリバリ食べてたし、こうして宝箱見てるともう本当何個かわかんねぇな?とりあえず食べるか?バリバリいっちゃうのか!?美味しいのかね?私も食べれるか試すか?…いや、舐めるだけに止めよう、歯がかけそうだ!いやそんなに歯はやわくないと思うが…。ペロッ!これは!?…君にプレゼントフォーユー)」

「あ、それです!わぁ頂いてもいいんですか?え?これも?でもこれはさっきナノ様が…あ、別に食べないとは言ってないですよ!?いただきますね!」


何故か水の精霊は私がひと舐めした水の小魔石を若干赤面しながら味わうように食べた。


「美味しい?(あれ、美味しいかと思ったら無味無臭で全然美味しくなかったんだけど?味覚が違うのか?にしても美味しそうに食うなぁ!はっ!噛み砕くと美味しいのか!?か、噛み砕く…行けるか?いやいや!無理だろ!これ見た目石だぞ!?歯と顎に大打撃受けるわ!やっぱり食べるのは無理そうだなぁ」

「へ?え、えぇとても美味しいです!ナノ様が作ってくださった物には劣りますがこれでも十分ですね」

「作る?(ん?それはちょっと違くね?私は水の精霊姫が溶かしたやつを綺麗にしてただけだし?あれ、待てよ?もしかしてあれか?汚いところ取ってやってたやつか!!それとも形か?美味しくなるような形があるのか!?尖ってたら辛さとか上がるのかね?丸かったら甘さか?味が分からないから知らねぇ…どゆことだ!?教えてくれぇ!)」

「はい。確かに私が最初に手を加えますがその後は全てナノ様が作っています!ナノ様が作ってくれたやつはどれも甘くて美味しいんですよ!?これを作れるナノ様はとても凄いです!前に風の精霊に分けてくれと言われて分けたのですがとても驚かれていましたね!それで聴いたのですが風の精霊姫の契約者であるエルダーエルフでもここまで美味しくはなかったそうです。」


ずいっと顔を近ずけて凄いと言う水の精霊姫に後退る。


「嬉しい(いやぁ!まさかのことを聞いたぜ!ってか風の精霊姫って!居るのか!?それに契約者、エルダーエルフ…あってみてぇな!?耳、エルファさんより長いのだろうか!?たれてたりするのか!?男性か女性か気になるな!?それに契約者ってなんだ?私と水の精霊姫との関係みたいなものか?絶対違うよな?それよかそのエルダーエルフよりも美味いって私凄くね!?凄いな!凄いやたァ!)」

「ふふ、あそうだ契約!ナノ様!私の契約者になってくれませんか!?」


喜ぶナノに微笑ましそうに見ていた水の精霊姫は思い出したといった顔をしてそう言ってきた。


「ん(おぉ!契約!つまり契約精霊ってこと!?良い!するするしましょう!これはあれだな!物理的な赤い糸か!?いやそれは運命か!いやいやそれは恋愛関係か?ま、どうでもいいよな!さぁ!ばっちこーい!!)」

「っ!はい!それじゃあ始めますね!」


水の精霊姫はそう言うと目を閉じ何やら小声でブツブツと言い出し、体から水の膜のようなものでナノを包んでいった。


パンッ


「「へ?」」


まるでシャボン玉が割れるように水の膜は風船が割れるような音とともに消えた。


《称号[破りし者]を獲得しました。》

《スキル[契約]を獲得しました。》


「…?」

「え、えぇ?割れた?割れた何でぇ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る