第10話

「あ、有り得ません…。」

「おー?」


その事態に唖然としながら水の精霊姫は原因を考えていた。


「契約…あ、なるほど互いの魔力同士を繋げて交わすものですか…ん?つまりそれってナノ様にはそれが無いということに…っ!待ってください。それではまるで私たちの生みの親でもある精霊樹と同じでは…?そういうことですか!つまりナノ様は私の第2のママって事ですね!?。」

「むぅ?」


水の精霊姫はぼーっとしながら何やら唸っているナノに対してまるで親に甘えるように抱きついた。

さて、そんな中唸っているナノは何を考えているのか覗いて見ましょう。


「母様…!」

「ん(なるほど、契約か!確かにこれあると色々悩まないな?便利なやつだこれ!ほほぅ?イメージでやる感じか!イメージ…ダメだ、破ったら死ぬ系しか思い浮かばねぇ!!私これこのまま使ったら…うん。気軽に使えねぇな!?いやいや、もっとフワッ的な感じに…はっ!なんか小説で見た事あるやつにするか!たしか破ったら全身くすぐられるってやつだったよな?よし!イメージ決まった!後は思いつき次第かな?っう?なんで抱きしめられてるんだ?いやまぁ気持ちいいから良いんだけど…。ってか母様ってなんぞ?)」


《称号[精霊姫(水)の母]を獲得しました。》


「母様はいい匂いです…」

「ん(速報、なんか母になった。いやいやいや!どういう事だよ!?いつなった!?私産んだ覚えないんだが!え?何産んじゃったの!?いやどうやって!?は!精霊だし自然魔力でか!?そうなんだろ?そうだよなぁ!?ふぅ!ふぅ!よし…落ち着いた。いや無理だわ!心境複雑なんだわ!え?これ喜ぶべきなの!?可愛い子やたー!って喜ぶべきなのか!?やたー!!よし!とりま寝るか!!おやすみ!!)」


次の日


「あ、母様!おはようございます。」

「…ん(え、人型の水が喋った?ってあぁ水の精霊姫か、いや名前長ぇな?もうアクアとウンディーネから文字ってアウネってことにしよう!うん。我ながらいいな名ずけをしたな!あー、にしても頭が若干ふわふわしてるな?まぁ寝起きたからか、さて身支度して部屋を出るか)」


支度を終えリビングへ向かい母さん達におはようと言った。


「おはようナノ、寝癖ついてるぞ?」

「ふふ、本当ね?あなたなおしてあげて」

「おぅ!ナノちょっとこっち来い」

「ん(おぉ寝癖あったのか、いやぁ鏡無いとわかんねぇな!いっそ作るか?あれ確かアンモニアと銀だけだったっけ?で出来たよな?いや違うかも?わかんね!ただこれだけはわかった。私には知識無双は無理そうですな!)」

「むむぅ…母様の寝癖は私が直したかったです…。」


その後、家族でいつも通り畑へ向かった。


「ふぁ…(寝みぃ…はぁ、称号が変わってからミミズ見つからないんだよなぁ?逃げてんのかね?…あ、そういえばスライムもそうじゃん!あぁーつまりそういう事か?私の経験値は何処に?レベ上げ出来ないじゃん!?どうすれば…!?はっ!兎居るじゃん!今の私なら行けるか?いやいや流石に許可がおりないよな、となると…素振りとかでもしてるか?剣術とか体術とかあると思うしな!やらぬよりやれだ!あれ?なんか違うか?まぁいっか!)」

「母様?あ、特訓ですね!良いですね!それならカカシもどきでも立てますね!」


ナノは近くにあった棒を手に素振りをしようとした。

そしてそれを見たアウネはやろうとしていることを察し、カカシを用意した。

そしてそれを棒で切ったナノに驚きのアナウンスが響いた。


《村人LvMaxになりました。》

《村人のレベルが最大値に達しました。》

《選択肢から職業を選んでください》


「?(は?え?Max!?いやいや60の下くらいからどうやってMaxになったんだよ!?え?村人の上限って60なの!?てかカカシ経験値多!?なんで?カカシなんでぇ!!?はっ!それより選択肢だ!何があるんだ!?勇者か!勇者だろ!?魔王か?英雄でも良いぞ?なんならモブでも可だ!)」

「母様固まってどうしたのですか?はっ!まさか嬉しさで!私も嬉しいです母様ぁ!あぁ…いい匂い…。」


《以下の選択肢から選んでください》

・テイマー

・魔法使い(風)

・魔法使い(土)

・魔法使い(闇)

・無職


「ん(HAHAHA、勇者も魔王もなんなら英雄も無かったze!そんなことより無職の存在感よ!ドーンッなみにあるな!?なんでテイマー、魔法使いと普通だったのに最後無職なんだ!?そこ無職入れるか普通!ほか入れるだろ!あるだろ他にもいい職が!無職かそこ!?いやまぁ気になるしで無職を選ぶんですけどね!?こういう職って絶対デメリット多いけどその分メリットもあるもんだしな!?私、無職…あはは、なんだろうなんか泣けてくる!?)」

「母様?な、なんで泣いてるのですか?嬉し涙ですか?嬉し涙ですね!?」


久しぶりにステータスを確認


名前:ナノ

性別:女性

年齢:10

種族:人族?

職業:無職Lv1

スキル:[緑の手][無慈悲][鑑定][無表情][第六感][精霊眼][契約]

称号:[ミミズの天敵][スライムの天敵][自然魔力を操りし者][子精霊を従えし者][破りし者][精霊姫(水)の母]


「…?(あ、あれ?魔法の欄が消えてる!?いや、使えばするな…じゃあなんで消えたんだ?それに魔力眼!なんか精霊眼になってね?変わってね?お前変化したんか!?進化か?進化なのか!?それに私種族曖昧になってね!?何最後のハテナは!何?私人族だよな!?あれ?人族だよな?やべぇ心配になってきた!指摘されると不安になる…あるあるだよな!うん!ワタシヒトゾク!)」

「あぁ…母様すきぃ…っ!称号[ブラコン]ですか…なるほど気に入りました。」


遠い目から帰ってきたナノはその後もアウネからカカシを作ってもらいそれで訓練を続けた。

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